ガールフレンド(仮)5話〜カモミールはあなたと〜


1〜3話ほどの徹底した良さはないものの、
一点突破型の話として4話よりも百合度が高くてよかった。


会長と副会長の関係がメインなのだけれど、
会長の目線がほぼ常に「みんな」を向いている、
というお話。


ダージリンをみんなと』がこの5話のタイトルで、
確かに会長は「みんな」にダージリンを振舞っている。


まず最初の、ダージリンセカンドフラッシュシュープリームマスカテル


二回目は茶葉不明のミルクティー(おそらくチャイ)

ダージリンは基本的にはミルクティーには不向きだが、
オータムフラッシュならミルクティーとしても飲まれる。


三回目は解説なしだが、おそらく紅茶



そして最後の、ダージリンファーストフラッシュ



みんなに振舞われるダージリン



でも、副会長だけは別のものを振舞われている


それがカモミールティ



その意味でも、この話数はやっぱりこのシーン



副会長がテンパった時に目で会長を探すところが良くて。
で、会長の方も副会長にだけカモミールティーを出すわけだよね。


「みんなの生徒会長」がちょこっとだけ
「副会長の会長」になる瞬間という一点突破。


この二人の関係は極上生徒会の奏会長と奈々穂の関係に近いけど、
副会長が自分の会長へ対する依存を自覚してないのがおいしいなぁ、、、

ガールフレンド(仮)4話〜キャラ・スーンとホシノ・ルリ〜


うーん、なんというか3話に比べると、、、


これまでのガールフレンドと比べて圧縮率が低いというか。


演出的には好きな部分も多くて、

こことかびっくりしたし。
これに呼応するラストの

これも好きなんだけど。



林監督の作品として、
ガールフレンドは「森田さんは無口。」の尺では出来ないことを
これまでの話数ではやってきていたように思っていて。
でもこの4話は「森田さん」なら5分でできたんじゃないかな、
と思ってしまう。



いや、女子高生のガールズトーク感というか
そういうのは出てるのから、
今風なのかもしれないけど、、、
百合モノとしてはちょっと私の好みではないなぁ。



脚本は吉田玲子さん。
うーん、カレイドスターのシリーズ構成として大好きだけど、
けいおん」以降の日常系萌えアニメっぽさで
作られてしまった印象。
やっぱり、吉田さんの中には、私の好きな百合はないのかもなぁ、、、
うーん。


うーん


うーん

ガールフレンド(仮)3話 気になるレイアウトなど備忘録


考えてしまって表に出せないという悩みを抱える村上さんと
なんでも口に出してしまう望月エレナ。


その対比のレイアウト


村上さんの頭には本
エレナのバックには光るドア
この位置関係だと村上さんにはエレナが輝いて見えるのでしょうね



村上さんがエレナを拒絶した後のレイアウトも格別


karimiさんがたまに取り上げる境界線の演出の一つ
http://d.hatena.ne.jp/karimikarimi/20140907


このレイアウトのおいしいところは、
村上さん側にはパソコンがあること。
これも本と同じく、考えこんでしまうことの象徴



あとはここなんかも良い

村上さんの背景には壁。
エレナの背景には街路樹


数少ないエレナが上手(カミテ)のシーンでもある。
エレナが上手になるのは下校シーンの場合のみで、
他はほぼすべて
エレナが下手(シモテ)、村上さんが上手(カミテ
の構図。

ここも好きで。
境界線となっている電信柱
背景が開けているエレナと込み入っている村上さん





エレナが道の外側歩いてるともいえるので、
エレナは村上さんを守ってるのかもしれませんね。



迷いのレイアウト。
収納スペースの扉のほうが面積が大きいというのは
村上さんの心情が傾いてる証拠


あと、デートでの村上さんのこの服


原作ゲームとかから持ってきてるのかな?


そこらへんはわからないけど、
デート慣れというか友達と遊ぶのすら慣れてなくて、
ちょっと生き込んで気合い入った妙な服着てきちゃってる感じ
すごくいい。



この回本当に良いなぁ。

ガールフレンド(仮)3話 OPへの入りの驚き


初代プリキュアの8話みたいな話だった!!!



いやぁ、まず驚いたのは
アバンからOPへの入り


完全に虚を突かれたというか、
そこでOPに入るとは思ってなかったタイミングで
ポンとOPに入ったので驚いてしまった.


この驚きは何なのだろう。
とりあえず、ガールフレンドのこれまでのOpへの入りを見てみる。


1話

ココミが学校に走っていって奥に消えていく

OP


2話

体重が増えてショックのココミからカメラが引いていく

OP



ふむ。
あとは手近なアニメから無作為抽出してみる



野崎くん 2話

千代ちゃんのツッコミ

OP


ソウルイーターノット5話

キムとキスする夢から醒めたジャクリーンと
「は?」というルームメイト

OP


セレクター1期2話

置いてかれそうになって、走るるう子

OP




傾向として
・カメラが引く(あるいはカメラから離れていく)
・一歩引いたセリフ(ツッコミなど)


などがあるようで、これは私の感覚とも合致する。


一方でこのガールフレンド3話は

・カメラはアップ
・しかもFIX
・一歩引くというよりも、話に乗り出していく様子


と一般的なOPの入りとは逆になっている。


また、エレナの独特の口調も驚きに貢献していると思われる。
というのも、
エレナのゆっくりとした口調が
「この後もセリフがある」ことを予感させるからだ。


これは彼女のこの口調が
「自分がしゃべり続けるために最適化」させていることを予感させる。


そういう彼女の強引さが3話の物語を作っていくわけで、
その先付としての、
このOPへの入りの「定石破り」となるのだろう。

福富博メモ


福富博さんといえば「回り込み」というイメージがある。
んで、その影響元は
映画監督の伊藤大輔監督らしいというのが、
http://homepage.mac.com/wayang_gamelan/interview/fukutomihonda/
に載っていたはずだが、
サイトが消失。


WEBARCHIVEにあることは、
ウィキペディアの福富さんの項にリンクがあるも
http://web.archive.org/web/20050324123457/homepage.mac.com/wayang_gamelan/interview/fukutomihonda/
私のパソコンでは文字のエンコードを変えても
文字化けで見れない。


書かれていたということは
http://d.hatena.ne.jp/karatedou/touch/20070317
こちらのブログにあるので間違いないはずだが。



福富博さんといえばあにまる屋(現エクラアニマル)の演出家。
あにまる屋言えば、木上益治さん。
木上益治さんといえば京都アニメーション


中二病2期の回転

はその遠い遺伝かもしれない、とか
そんなメルヘン

ガールフレンド(仮)2話〜同時多発的な物語


前にとある講座で脚本家の方が
「もうハリウッドは三幕構成なんて使ってないよ」
と言っていて、
それに代わる新しい構成として
同時多発性」という要素を挙げていた。


一つの出来事を効率的に構築する三幕構成ではなく、
さまざまな出来事が交錯する物語が
最新ということのようだ。



なんでそんな事を思い出したかというと、
ガールフレンド(仮)2話が「同時多発的」だったからだ。


1話はココミさんとクロエの二人の物語に絞って展開されていた。
いわば単発構成。
それに対して、2話は


・ココミのダイエット
・放送部・桜井さんの校内放送ゲスト集め
・ミヨシさんボッチ問題
・クロエの日本研究(継続中)


という違う次元の物語が同時に進行している。


その同時多発性がわかりやすいのが、
例えばこのカットの距離感

ミヨシさんのボッチ問題とココミさんのダイエット問題は
これだけの「距離」がある。


また、それが明示されてるのが、桜井さんの

それとこれとは別の話でしょう!
というセリフ。


別の物語が同居している事をセリフを通して明示している。


これは、ガールフレンド(仮)本来はモブ扱いされそうなレベルのキャラクターまで
全てちゃんと名前をつけて声優を充てているということに起因する。


ヒロインかモブかは「それぞれの物語」を持っているかどうか、と言っていい。
「クラスメイトA」には個別の物語はないが「見吉奈央」と名前が付けば、
そのキャラには背景や物語が生まれる。


ヒロインが何十人もいればそこにはそれぞれの物語があり、
アニメという形で「時間を切り取られて」も、
その物語は個々に交錯しながら存在しているわけだ。


そして、それぞれの交わりで新しい物語が生まれる。


ココミさんのダイエット問題とミヨシさんのボッチ問題という
「別の話」が交われば、そこから二人の関係性が出来上がっていくのだ。


ラストのこのカット繋ぎ



「距離間」のトリックみたいなもので、
ココミとミヨシさんが離れているカットを先に見せて
未だに二人が「別の話」なのかな?と思わせておいて、
次のカットで二人の距離が近いレイアウトを提示して
そうじゃないんだよ」とやる。
それでもって「同時多発性」が収束して物語が収束する。


こういう、構図で物語を見せていくのがこのガールフレンド(仮)の良さだなぁ、と。

ガールフレンド(仮)2話

やっぱり、このアニメのカット繋ぎの省略のリズム好きだわ。


もちろん、友情系百合アニメとして最高の作品
森田さんは無口。」を受け継いでるというのもあるんだけど。


初っ端のこの繋ぎ方





最初の会話とココミの表情を見れば、
「体重を気にしている」ことはわかるから、
食事シーンや移動シーン、説明セリフを飛ばして
いきなり体重計の前


こういう省略感が凄い心地いい。


あと、この2話はやたらと言葉遊びしてるのも気になって。
「重い・重量感」のところもそうだけど、
気になったのは授業中


先生の

読者に想像や推理をする余白を与えて・・・
というセリフ。
途中からココミのセリフが被さるので
聞き流しそうになるところだが、
このセリフはいわばこのアニメのスタイルそのもの
ここで「ん?」
となってると続くシーンで


「因果応報」を答えさせる言葉遊び。
授業のセリフも積極的に使っていることがわかる。
逆に言えば、先の「想像や推理」も意図して書かれたものであることがわかる。
(そして「想像の余地」は後半のミヨシさんがココミの思いを察するところへつながっていく)


この「因果応報」のところもカット繋ぎが良くて、
メロンパンから直に先生に呼ばれて、
それでまったく慌てないというところが気持ちいい。


普通なら「妄想から我に返って慌てる」みたいな余計なテンプレート芝居が入るところで、
何もなかったかのように、自信ありげに「因果応報です!(キリッ」とかやってるココミさん

メロンパンのことを考えながらもちゃんと授業を聞いていたのだ。
心地のいいキリドヤ感。


脚本はクレジットの下山健人さんという名前を見て、納得。
ルパン三世浦沢義雄脚本回を見まくっていたので、
浦沢さんの弟子筋である下山さんの「遊び」の脚本に、
こんな形で出会えるのは意外な喜び。


2話楽しかった。