話数単位10選2015〜あるいは備忘録的なメモ〜


ブログを書かなくなってしまって久しい感じになった2015年。


色々あって、話数単位10選イベントに関わることになったが、
それ自体よりも、その過程で
自分の2010年の話数単位10選を見返したのが、この企画については大きい。

2010-12-25

■話数単位で選ぶ、2010年TVアニメ10


作品全体が面白いものは排除した。

ハガレンとタクトと四畳半で埋まっちゃう)

1、神のみぞ知る世界4話

2、エンジェルビーツ5話

3、もっとTOLOVEる10話

4、あそびにいくよ2話

5、刀語7話

6、オオカミさんと七人の仲間たち3話

7、いちばんうしろの大魔王7話

8、ぬらりひょんの孫9話

9、ひだまりスケッチ3期4話

10、けいおん!!1話



ありがちなセレクションだけど、面白いものは面白い

今年も面白いアニメをありがとうございました。

2010-12-25 - まっつねのアニメとか作画とか


自分で選んでおいて、忘れているものが多い。
エンジェルビーツ」や「けいおん二期1話」は見返すことがそこそこあるが、
他はかなり忘れている。


でも、忘れているものでも、見返すとやはり面白いというか、
自分の好みにすっぽりとハマっている。
キャプチャもスタッフリストも感想もない羅列だけど、
やっておいてよかったな、と。


2010年とか最近だと思っていたのにもう5年前、
あっという間に過ぎていってしまった。
5年後10年後にそう思えるように、今年も10選を書いておく。


1、プリンセスプリキュア11話「大大大ピンチ!_プリキュアvs(たい)クローズ!」
  私の中でのプリンセスプリキュアの頂点はここ。


2、ワカコ酒 第4夜「ウニクレソン」
  「ぷしゅ〜」の作画の良さ。文字はエフェクト。


3、JKめし 第4話「グラタク」
  「ウニクレソン」を超えた究極の料理「グラタク」
  

  

4、アニメーター見本市 第10話 「ヤマデロイド」
  http://d.hatena.ne.jp/mattune/20150530
  ほぼ唯一今年書いた記事。


5、小森さんは断れない 第7話 「プールはドキドキ!」
  

 ここらへんはステラ女学院キャラデザの梅下麻奈未さんのパートじゃないかと。
 お話し的には5話も良かった。


6、ふなっしーのふなふなふな日和 第9話「りんごちゃんなっし〜!」
  こういう「省略」と「喪失」を描くアニメ、好きなんだよなぁ。
  河野さんの背景美術が格別。


7、て〜きゅう4 第45面 「先輩とGOAL!」
  不条理感でこの一本


8、高宮なすのです。 第3話 「執事と呼ばれた少年」
 こういうスピンオフの本編との交わりみたいなの、好きなんですよね。
  天地無用GXPのあれとか。


9、て〜きゅう5 第54面 「先輩とエイリアンVSプレデター
  近藤うどん子ちゃんが今年のアニメで一番好きなキャラかも。
  4期第39面と6期第63面もかなり好き。


10、て〜きゅう6 第62面 「先輩とゴールデンアイ
  て〜きゅうの一つの到達点では?



とこんな感じになりました。
簡単にいうと


この世の理はすなわち速さだと思いませんか、物事を速くなしとげればそのぶん時間が有効に使えます、遅いことなら誰でも出来る、20年かければバカでも傑作小説が書ける!有能なのは月刊漫画家より週刊漫画家、週刊よりも日刊、30分アニメよりも15分、15分より5分、つまり速さこそ有能なのが、文化の基本法則!そして俺の持論でさぁ!

来期のプリキュアのシリーズディレクター候補

過去のTVSD


西尾大介→プロデューサー転向
小村敏明
志水淳児
座古明史→秋映画監督
長峯達也
境宗久→セーラームーン
大塚隆史→IG所属
古賀豪
田中裕太


若手演出家


黒田成美
池田洋子金田一の事件簿R
小川孝治→ワールドトリガー
田豊
畑野森生
暮田公平

サプライズ

山内重保

アニメーター見本市メモ 隠れた名短編・ヤマデロイド

アニメーター見本市第一期が5/31も公開終了になるということで
一通り全部見た。


感想としては「オールドガイナックスぽさ」と「アートアニメーションぽさ」
のどちらかあるいは両方が見られる作品が非常に多い。
第一期分を連続して見ていくと特にそう感じる。


その中で、ルーツや思想として全く別の匂いを感じたのが、
この「ヤマデロイド」

だ。


作品の感想については、他サイトでは


「ヤマデロイド」感想 - 幻想と現実の往来とシームレス
http://itlifehack.jp/archives/7676
おいっ! タイトルそういう意味かよ! 山ちゃん熱唱の「ヤマデロイド」公開
http://royal2627.ldblog.jp/archives/43393032.html


などがあり、作品の雰囲気はこれでわかるだろう。


この作品の特に素晴らしいところは二つある。


1、シリアスと笑いのバランス
アニメーター見本市は「自由な表現の場」ということを掲げているが、
やはり、注目度が高い場での「クリエーターの自由」はどこか似通ってくる。


特に顕著なのは「笑い」の欠如
こういうビッグチャンスではシリアスなもの真面目なものが優先され、
「笑い」の要素は軽視されがち。


アニメーター見本市には、
今石さんの「セックス&〜」やコヤマさんの「おばけちゃん」のような
「笑えない」タイプのギャグ作品は少数ながらあるが、
この「ヤマデロイド」のようなビジュアルからし
「笑い」を含んでいる作品は他にはない。


その一方で、この「ヤマデロイド」はアニメーター見本市で
一番ストーリーがしっかりしている。
正確にいえば「ストーリーをやりきっている」
起承転結・序破急といったものがきちんと短い中で、
セリフではなく"映像"で説明されている。


セリフは一言もないが、
その分、内容を伝えるための絵がきちんとあり、
「アニメ」というメディアの絵の力を存分と味わえるというのも
アニメーター」見本市として、
まさにアニメーターの実力を見せつけたといえる。


2、マッドハウスの正統な後継
二つ目はそのストーリーや表現の中身。


本作の監督を務めた江本監督
マッドハウスでメインに活躍してきたアニメーター。


この「ヤマデロイド」では
マッドハウスの「ロールモデル」と言われる
川尻善昭監督作品的な
ストーリーや表現が展開されている。


シグルイの最終話では川尻さんがコンテ、江本さんが作画監督として競演しており、
「ヤマデロイド」ではその影響も垣間見られる。
また、原画クレジットには川尻作品常連の名アニメーター・箕輪豊さんの名前があるのも
ポイントが高い。


川尻さんが「獣兵衛忍風帖」で示し、
しかし日本のアニメでは主流にならなかった一つの可能性が、
この「ヤマデロイド」には宿っている。



○今後の展開も期待したい


「見本」というからには、「本製品」があると考えるもの。
「楽園追放」で劇場作品に挑戦したグラフィニカが制作であるこの「ヤマデロイド」、
仕上げれば60分くらいの中編劇場作品として良いものができるのではないか、と
見ていて強く感じられた。


そもそもの企画は板野一郎さんにきたのを、
板野さんが忙しいので、30代の若手で、、、という流れになったという。
ここらへんは板野さんの「育成魂」が出たのではないか、と思う。


かつてのアニメスタイルのインタビューで板野さんは

板野 それを韓国のように、文化として国を挙げて保護してくれるといいんですけどね。 
   橋本(晋治)君とか大平(晋也)君とか、戸倉(紀元)君とか、
   うつのみや(理)君とかにスポンサーがついて、彼らみたいな人がメインになったり、
   監督ができたりするようになれば。日本も、目先の金とか利益ばっかり見て、
   製作委員会ですったもんだしないで、もうちょっと……。
   人が、もったいないですよねえ。
  「この人に好き勝手な事をやらせたら、どんなものを見せてくれるんだろう!」という人がいっぱいいるのに。

http://www.style.fm/as/01_talk/itano05.shtml


ある意味、アニメーター見本市はこの板野さんの考えを実現するものであったであろう。
(実際にうつのみやさんは今回監督やってるし)


そんな中で、板野さんのところから、
「これを劇場作品にすればどんなものになるだろう!」という
パイロットフィルム的なものが出てきたのには
歴史的な意義を感じる。


そんなわけで、アニメーター見本市では
「ヤマデロイド」、おすすめです。

たまこラブストーリー みどりの嘘とかんなのフレームについてのメモ


みどりが嘘をついた後の顔を、
かんなのフレームで捉える二つのカット


後者では「良い顔してますね」
前者では無言。
無言だが、「良い顔をしてますね」とは言わない
=良い顔ではないということ。


「話数単位で選ぶ、TVアニメ10選」とか。

なんとなくこの時期になると目にする話数単位10選という企画。
http://shinmai.seesaa.net/article/410027036.html
今年は、なんか気が付いたら
ウレぴあ総研」の兼業ライターになっていた(http://ure.pia.co.jp/articles/-/28772
ストレンジャーさんが
「"話数単位で選ぶ年度別アニメベスト10"企画に参加される人たちに知っておいて欲しいこと」
http://d.hatena.ne.jp/tunderealrovski/20141216/p1
というkarimiさんシンパの記事を出したり、


かたや反kamiri論壇からは、
WEBアニメスタイルの「アニメスタイルが勧める今こそ観たいアニメ100選」
のテキスト担当にも名を連ねるbonoさんが
<僕が10選に参加しない理由>
http://jaguar-note.hatenablog.com/entry/2014/12/22/195047
を公開したりと、久々に盛り上がってる様子。
セミプロライター勢が取り上げるほどの企画になってきているんですねぇ。


かくいう私も今年は新米"好人物"小僧さんと会いまして。
彼の「10選」に掛ける熱意には一種の感動を覚えました。


ただ、去年はルール無視でやっていて。
2013年を振り返る話数別○選
http://d.hatena.ne.jp/mattune/20131229/1388311297


一つの作品から「複数」の話数を選ぶことはルール上禁止されている、と。
去年の場合は、「ステラ女学院」と「ラブライブ」という2強が圧倒的だったので、
これから複数選ばないと、私としてはウソの10選なんですよね。
20位くらいのものが10選に選ばれてしまうんじゃないか、と。


ただ、新米"好人物"小僧さんと出会ったのも何かの縁、
故・出﨑統監督の「一期一会」の精神に倣って、今年はやってみようと思う。





1 「くつだる」第7話 鼻毛がひょっこりでちゃうわけ
脚本:うえのきみこ 絵コンテ:西野理恵
公式サイト(http://imadokiyoukai-channel.com/

NHKで放送中かつ、バンダイチャンネルで配信中の妖怪アニメ。
内容的には物凄く「妖怪ウォッチ」だけど、こっちは女子高の話なので、
百合勢としてポイントが高い。


線の少ないキャラデザがとにかく魅力的なのですが、
この7話はそれを独自に解釈した絵になっていて、特に良い!
作画監督クレジットは表示されていないが、
おそらくは絵コンテを担当した西野理恵さんがご自身で作画監督まで
やってるんじゃないかなぁ。
DVD販売も今のところされていないので、
バンダイチャンネルさまさま


2モーションコミック「猫絵十兵衛 御伽草紙」 『はなだ色の猫の巻』
アニメーション監督:原博

バンダイチャンネル見放題で視聴可能


さっそく、ルールのグレーゾーン作品。
「TVアニメとは何か」ですね。
配信限定のアニメは駄目ですか?
でも、ルールには「ダメ」とは書いてないし、
これからの時代、配信限定のアニメだって色々とあるでしょう。


というわけで、manga2.5から猫絵十兵衛の第5話。
この企画、いわゆる「漫画切り貼りフラッシュアニメ」みたいなものなので、
作画では動きませんし、いまいちテンポの悪いものが多い。


しかし、この猫絵はギャラクシーエンジェルで暴れた演出家・原博
がやってるだけあって、
「作画以外」のさまざまなアニメ演出を駆使して作られている。


特に、この5話は作画でまったく動かさない「アクション」をやっており、
初代アトムのころのTVアニメの原点を思わせる。



3 Bonjour♪恋味パティスリー 第4話 Lesson 4

ニコニコアニメチャンネルなどで視聴可能な
乙女系5分アニメ。
「パティスリー」という名前の通り、
高校生版「夢色パティシエール」という感じ。


パティスリー勢にはバレーボール回(第8話)の方が人気がありそうですが、
個人的にはこっち。
車の中のシーンの絶妙な「間」演出がたまらない。


あとは教頭萌え。
TARITARIの田中敦子教頭を超える人選はないかと思ったが、
こっちは榊原良子教頭!実質的にパトレイバー逆シャアでZでナウシカ


4 GO!GO!575 第2話
http://d.hatena.ne.jp/mattune/20140305/1393975028


こういうので良いんだよ、百合アニメはこういうので。



5 生徒会役員共* 第9話 畑ランコ カマす/OGはチョベリグ/ぐーぜん誤解 いただき中


やっぱり平野文なんだよなぁ、、、



6 桜TRICK 第3話


サンライズのロボットモノを中心に活躍する南康宏さん。
こんなしっとりとした百合演出する人だったんですね、、、
よく考えてみれば神無月の巫女ヤミ帽舞HIMEもやってるし、
ひょっとして百合属性の演出家?


桜TRICKからは他にも入れたい話数多いんだけど、
「あ、このアニメ、本気だ」って感じさせてくれたこの話数がやはり一番好き。


7 ソウルイーターノット 第10話 悪夢のはじまり!
http://d.hatena.ne.jp/mattune/20140613/1402666379

松尾衡さんが絵コンテを担当したキーポイント回。
ソウルイーターノットも他にも入れたい回が多いんだけど、
シリーズ全体の構成の妙という意味でも、
この話数の「スペシャル感」は10選にふさわしい。


8 ガールフレンド(仮) 第3話カメラとショートケーキ
http://d.hatena.ne.jp/mattune/20141101/1414801693

話、レイアウトのキレ、本当に好きな回。
百合アニメとして、
初代プリキュア8話にもっとも迫ったアニメじゃないかな。


9 てさぐれ!部活もの あんこーる第12話


CGアニメすげぇな、その1
特に2期12話は「ストーリー」繰り出してきて、
もう、これで普通のアニメ作れちゃうんじゃね?
とすら思った。
登場人物や舞台が限られたアニメなら、
もうCGでいいんじゃないかな。


10 Hi☆sCoool! セハガール 第2話コンボでつなげ 熱い気持ち


CGアニメすげぇな、その2。
ゲームのキャラの3DCGをそのまま出すという発想。
ゲーム原作アニメおよび、そのパロディモノなら
これ無敵なんじゃないか?、とか
そんな事を思った。




と、こんな感じです。
では、皆様、良いお年を。


(追記)
bonoさんから「アニメスタイルでの担当は編集協力ではなく編集作業補佐、わかるか?」というツッコミが入ったので、
分かりやすい記述に一部変更。

さらに「粼」の文字が化ける件(たぶんこれも化けてる)についてのツッコミもいただく。
ちょっと調べると、
http://d.hatena.ne.jp/NAOI/20110310/1299748839


つまり、数値文字参照を使えばいいらしい。

こういうことか、、、
これもブラウザによっては文字化けする可能性もあるのかな?
めんどくさいからやっぱり「崎」を使うの安定か、、、

ガールフレンド(仮)6話・7話を見て思うこと

3話ほどのビッグウェイブは来ないが、
そこそこ面白いガールフレンド。


6話と7話を見て思うことは、
俺は椎名心実のある種のネガティブさ自虐さが
好きなんだなぁ
ということ。


2話・6話・7話はどれも
「みんなで何かをする」というパターンの話。
この登場人物の多い作品ではこういったパターンの話で
登場キャラを増やさないといけない。


その中でも、「みんな」を一種のカモフラージュに使って
心実と美吉さんの二人の関係を描いた2話はまあ別格に好きで。


6話と7話を比べた時に、
6話の方がなんか好み。


なんでだろうと思うと、
6話は話のきっかけが「ネガティブ」なところ、
つまりは心実の自虐から始まってるというが良くて。

心実「私だったら恐縮しちゃって、先輩とあんな風に話せないです



全てはここから。


こう言われては、さすがに
そうだね、椎名さんと違って明るい良い子だから
とも言えず、
ちょっと大変だけどね
と後輩に対してネガティブなことを言って、謙遜するしかない。



心実の小さなネガティブな濁りが連鎖しているわけだ。



そういう意味では7話は「善意の連鎖」であって、
良い話ではあるけど、
ちょっと濁りという旨味が足りないなぁっと、
綾鷹のCMみたいなことを思ってしまうわけです。