STAR DRIVER 輝きのタクト 1話アバン 「感情移入させないアニメにようこそ」


いや〜凄かったですね、スタドラ!
五十嵐卓哉が相当イッちゃってますよ、これ
五十嵐卓哉榎戸洋司の双方の歩み寄りが感じられるのも
榎戸・鶴巻コンビとは大きく違うところだ


とにかくアバンから五十嵐だ。
いや、
五十嵐卓哉であることを宣言する」ためのアバンだった。


良くあるアニメならば、
まず主人公に感情移入させるところから入る。
あの「けいおん!」ですら最初はそうだったように、
あのガンダムSEEDですらそうだったように。


でも、だ。
五十嵐卓哉はそんなことはしない。
そして榎戸も「巻き込まれ型でないロボットアニメの主人公」
というモチーフの話をしていた。


例えば2カット目のこれだ

何気ないカットだが、
普通、1話だとこういうカットは
「こっちに来る」カットになる。


ところがこのカットは「むこうに行って」しまうのだ
彼らは視聴者には来てくれない。
視聴者から彼らの方に寄っていかねばならない。


続くカットも



足元やアオリなど
彼らの本質に触れるようなカットではない。
特に、このアオリのカットは流星(=ひいては銀河美少年
を見せるためのもの。
「春の風」という台詞も状況説明ととってもいいが、
榎戸脚本ということを考えれば、メタファーと考えてもいいだろう


そこから「願い事」につなげるあたりも実に榎戸脚本らしい。
その榎戸脚本と呼応したのが

このカット
わざわざ背景をボカしてますね。
これは「とりあえずこのカットでのこと、覚えておいてくださいね」
と言ったところ。
顔がちょっと露骨ですけどねw


この二人の会話から想像できることは


・男の方は女の子をこの島から連れ出したい
・女の子はそれは駄目だと思ってる


でも、この二つの事柄は同時彼らの本心かはわからないということも
抑えておく必要があります。
視聴者は神でもなければ、主人公でもありません。
せいぜいただの通りすがりの通行人くらいなものです。
通行人には路上で痴話喧嘩してる男女の本心なんてわかるはずもない。


見ていて、「この二人が何を言ってるのかさっぱりだ」
と思ったならそれが正常だと思う。
脚本も演出もわからせようなんて思っちゃいないだろうし。


そんなこんなで3人目の登場


これ、わざわざタクトの向こう側までまわって行ってますね。
上手下手の話とか、
手前に座って、カメラを切り返して人工呼吸だと野暮ったくなるとか
色々と巧くかみ合わせるための位置取り


そして、感情移入はタクトにもさせないという意味での


このカット繋ぎ。
それどころか後から寄ってくる男を映すというところが
五十嵐らしい


そんでもって、みんな注目の人工呼吸とお尻



(何気に一回目と二回目で寄り具合が違う)


いやあ、見事ですねぇ
見事にキスから視聴者の意識をそらす
見事なお尻ですねぇw


榎戸つながりでフリクリを例に挙げてもいいですか。
人工呼吸なんだからメインは唇でしょ、普通は。
でもそれは人工呼吸の当事者達に感情移入してるからなんだ。
人工呼吸をもしも、「後ろから見てたら」
お尻が気になるよねw



そして、五十嵐の伝統芸能「横位置でシルエット」
タイトル出てもせっせと心臓マッサージしてるのが滑稽でいいですねぇw


「感情移入させないアニメにようこそ」