マギカまどかはキューティーハニー

kkobayashiさんのところの
http://d.hatena.ne.jp/kkobayashi/20110130/p7#c
が気になって。


コメント欄でangmarさんらが
>「戦う変身少女」モティーフをアニメに持ち込んだのがセーラームーン
>戦闘美少女の系譜はセーラームーン以前からもあり


というような話をしていて。
結局は、今の「エヴァンゲリオン以後アニメ史観」だと
遡ってもセーラームーンまでだから、
「まどか」みたいなアニメに違和感や抵抗感を持つのは
まあ当たり前だと思うんですよ。


だってさ、
初代「戦う変身少女」といえばセーラームーンじゃなくて
キューティーハニーなわけじゃない、やっぱり。
石ノ森先生じゃなくて永井豪先生なわけで、
そのフォーマットにはすでにエログロは盛り込んであったわけよ。


ハトプリで勝間田具治が演出するっていうんで
「かつてはキューティーハニーの演出もした」なんていう
紹介が公式でされてたけど
系譜を元に辿ればキューティーハニーなわけ。


その一方で、なんで「セーラームーン」がヒットがしたかについては、
庵野秀明セラムン検証というのがあって
(全体は「この人に話を聞きたい」の新刊に収録されているんで、買って読んでみて)

その時の主流だった『セーラームーン』を検証してみた。
で、『セーラームーン』で分かったのは
緩い世界観というのがいい。要は、遊び場を提供すればいいんだ」
という事だったんです。
個性的な、分かりやすいキャラクター配置と、遊べる場所。
だから、何体かの人形と砂場が用意されていて、
ファンがその砂場で自分たちで遊ぶ事ができるというのが、
『セーラー』人気の秘訣
だと思った。


このインタビューが1999年。
ほぼ10年前には庵野秀明は『けいおん!』の大ヒットを予言していたことになる。
『何体かの人形と砂場』という表現が『けいおん!』の全てを表しているように思う。
砂場で遊ぶ園児の実例は枚挙にいとまがない。


さて、セーラームーンというのは本質的には
『緩い世界観』が持ち味であり、
確かにセーラームーンだって壮絶な戦いをしたわけだけど、
そこがセーラームーンの本質かと言われるとちょっと疑問。


そういう意味では、セーラームーンは緩くした世界観からさらに遡って、
永井豪的なエログロ観をもったキューティーハニーへと
先祖返りしたのが、
「まどか」なのかな、と。


そういう意味では、永井豪という人は、
インパクトの為に人を殺したり犯したりエロだったりグロだったり
ということに抵抗のない人ですし、
インパクトのために殺しましたが何か?」
インパクトのために変身美少女を出してエログロしましたが何か?」
マジンカイザーSKLにご期待下さい」
ってなもんでしょう。


まあそういう『劇場型』なアニメに飽きてきた結果
『遊び場型』アニメがセーラームーン以降隆盛しているわけで、
そういう意味では、
ここで『劇場型』の逆襲があっても、それも歴史の必然かな、と。
その上で、
kkobayashiさんのような『遊び場型』を愛するファンが
その逆襲に抵抗するのもまた必然じゃないかな。


追伸、キューティーハニーFの五十嵐回(特に暴走列車の回)は必見のこと