「中二病でも恋がしたい!」は精霊会議とソラカケを超えるか


花田十輝大先生が原作ブレイクしながら暴れている!」
との情報をつかんだので、視聴してみた。


なるほど、これはなかなか面白い。


花田十輝の得意技といえば
「幻想」である。
性別の幻想性を描いた「かしまし」
姉弟愛の幻想性を描いた「sola
精霊会議の「H20」などなど


花田構成作品には強烈なものが揃っているが
このアニメからはそれに勝るとも劣らない、
花田先生との相性の良さを感じる。


また、直前に「カンピオーネ」をやっており、
花田先生の中の「中二病」的な成分が高まっているのもグッド。
前期、草川監督とコンビを組んだのは間違いではなかった。


今度は花田先生は何を描くのか。
中二病の幻想性」?
どうだろう。
むしろ、
「高校生活の幻想性」こそが、彼の標的かもしれない。
「高校生活とは幻想である」そんなオチになりそうな予感がする。



京アニ作品としても、「中二病が抜けきっていない感」がなかなか良い。
某アニメーターのように、
かつての京アニは「アニメ界の新撰組」であって、
「アニメ道不覚悟のものは切る!」みたいなことやっていたわけですが、
こんなのは「中二病」の極みなわけで、
ヤマカンとかが居なくなって、けいおん以降だんだんと普通のアニメ会社に近づいてきた。
そんな中で、「花田十輝」がオリジナリティを発揮する作品を作るというのは
まさに「脱中二病」と言える。


と言っても、そんなにすぐに中二病から脱せるわけもなく、
何でもかんでも真面目にアニメ道やろうとしちゃうのは相変わらず。
そこらへんは主人公の福山というよりは、
「森サマー」さんこそが京都アニメーションの化身ともいえるかもしれない。


絵柄的にも、吉田健一織田広之ラインの目の書き方を取り込んでいたりして、
見ていて面白い。


あとは、演出面でももうちょっと「脱中二病」してくれると良いのになぁ。
それこそ、この脚本なら大地丙太郎のコンテ演出で見たい、と思ってしまった。


リッカと福山の掛け合いでテンポを作っていくアニメなのに勿体ないなぁって。
でも、これも脱中二病のためと思えば、まあ応援しようかな、と。


精霊会議を超えるギミック、期待してますよ、フラワー大先生!