ラブライブ12話〜渡邊哲哉の望む永遠part2

「きっと、インベルは……ううん、iDOLでも人でも、好きな人と一緒になるって、そういうことじゃないよ。好きな人と一緒になるって、その人と同じになるんじゃない。きっと、違うところをお互いに見つけていくことなんだよ。だから、わかんないことも、キライって思うこともいっぱいあるかも知れないけど、でも、きっとそれでいい。それでよかったのに。インベルは千早さんを見てたのに。千早さんは、インベルに見てもらおうとするだけで、インベルを見なかった。それはきっと……愛じゃないもの!


本当に待ったよ。
こういう回が来るのをじっと待っていたよ。
途中、けいおんの悪夢を思い出させるような合宿回を入れるから、
結構心配してたんだ。
それでも俺たちの花田先生はやってくれたんだ。


でも、この回は花田先生だけの功績ではない。
かのお禿御大も言うように、「アニメはコンテが7割」
コンテマンがもし京極監督だったら、ここまで秀逸な仕上がりにはなっていないだろう。


そう、渡邊哲哉コンテでなければ!


みなさんは、「三大ヘタレ主人公」というのをご存知だろうか?
主人公のあまりのヘタレさに、
状況を極限まで悪化させることで、修羅場を作りだす天才的な主人公たち。
第一のヘタレ、鳴海孝之君が望む永遠
第二のヘタレ、藤井冬弥 (WHITE ALBUM)
第三のヘタレ、伊藤誠 (School Days)
(参考:http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E4%B8%89%E5%A4%A7%E3%83%98%E3%82%BF%E3%83%AC%E4%B8%BB%E4%BA%BA%E5%85%AC



この三大ヘタレ主人公を擁する修羅場エロゲは現在、どれもアニメ化されている。


そして、その3つの全てに関わっているという"修羅場"絵コンテマンが存在する!


それが渡邊哲哉だ!



いまでは、「白富野」などと呼ばれて好々爺をやって親切にオタクの質問に答えるお禿御大だが
かつては「皆殺しの富野」の異名とった男
その男の最後の弟子が最強の”修羅場”演出家であるということはいわば必然!


このラブライブ12話を担当するのにこれ以上の演出家はいない。
まさに、踏んできた修羅場の数が違う。


その意味では、この回を評して「まるで交通事故のようだ」と言ってのを見たが、まさにその通り。


穂乃果に降りかかる悲劇の「どうしようもなさ」は、
かつて渡邊哲哉が監督した「君の望む永遠」の主人公
「皇帝」の二つ名をもつ鳴海孝之を彷彿とさせる。


彼はこう言われる
「境遇は理解できる、同情はする、だが死ね」


なぜ、穂乃果ちゃんがこんな目に・・・・・・
そう思った視聴者が多いだろう。
本当の穂乃果ちゃんはこんなんじゃない!
とか
穂乃果ちゃんはそんなこと言わない!
とか


しかし、これが人間。
これが人生。
前回まではそんなことなかった?
9話で絵里が言っていたはずだ。


「次々新しいものを取り入れて、毎日目まぐるしく変わっていく。」


昨日の延長線上の今日。今日と変わらない明日。
退屈な郊外を背景とする日常系アニメならそれでもいいだろう。
しかし、ラブライブは違う。
毎日目まぐるしく変わっていく都市を背景にするアニメだ。
いつ、交通事故が起こってもおかしくない。
そういう場所。


冒頭の台詞はご存知、アイドルマスター XENOGLOSSIA 25話。
脚本は花田十輝、コンテ演出は渡邊哲哉


もう6年も経ったのか。

つくづくアイドルというのは度し難いな。


はい、復唱

「きっと、インベルは……ううん、iDOLでも人でも、好きな人と一緒になるって、そういうことじゃないよ。好きな人と一緒になるって、その人と同じになるんじゃない。きっと、違うところをお互いに見つけていくことなんだよ。だから、わかんないことも、キライって思うこともいっぱいあるかも知れないけど、でも、きっとそれでいい。それでよかったのに。インベルは千早さんを見てたのに。千早さんは、インベルに見てもらおうとするだけで、インベルを見なかった。それはきっと……愛じゃないもの!