高坂 穂乃果と革新的リーダーに求められる5つの条件


ちょっと前に読んだ日経新聞の記事で、「革新的リーダーの条件」というものがあった。
77%の企業が「次世代のリーダーが確保できていない」と回答しているほどの、
「革新的リーダー」不足の中で、革新的リーダーの条件を提示していた。


これを見て、ラブライブという物語を穂乃果のリーダーとしての成長の物語と捉えることが出来ると気がついた。


まず第一の条件が
前例踏襲や先入観を排す「自由な精神」
これはまさに穂乃果に当てはまる条件だ。
「伝統ある音ノ木坂」にあって、それまでの伝統の中にあるものではなく、
自分の直感的なアイデアに対して、穂乃果は正直であった。

まさに自由な精神の持ち主である。


第二の条件は
「率先垂範」
まず自分がやること。
自分が燃えることで、ぐいぐい周囲を引っ張っていく。
人任せにしない。

賛同者がいなくとも、自分が動くことで周りを動かすことが出来るというのは、
ラブライブの穂乃果だけではなく、
偉大な経営者にも多く見ることが出来る
(参考:http://homepage3.nifty.com/institute/contents/contents6.htm)


第三の条件、それは
「人間的魅力」
いきなり、漠然としましたが、
記事の内容ではつまり「人に好かれる力」あるいは「人に信頼される力」というように説明されていました。


これは、リーダーとしての条件であると同時に、アイドルとしての条件とも言えるかもしれません。
彼女には人に好かれるだけの魅力があります。

西木野真姫の心を動かした穂乃果の「素直さ」はまさに
彼女の持つ人間的魅力の1要素と言えるでしょう。



ここまでの3つの条件を、穂乃果は見事に兼ね備えていました。
しかし、本当に大事なのはここからです。
穂乃果のもっていない条件
にこそ、穂乃果の成長の鍵があります。


第4の条件
それは明確な「ビジョン」です。
ビジョンはしばしば「将来像」「進むべき方向性」と訳されます。


残念ながら、スクールアイドルを始めると言った時、
そしてミューズ結成後においても穂乃果はビジョン、
自分たちの「将来像」というものを明確にはもっていませんでした。
その穂乃果に対する表現として、アニメーションディレクターの西田亜沙子さんは
「ほのかって子は目の前のことには猛進するんだけど
未来のことから目をそらしてばっかなんだよ 向き合う必要があるんだよ!」


穂乃果は自分の将来についても、メンバーの将来についても、
そしてミューズというグループの将来像についても、
漠然としか、いやひょっとしたら漠然とも考えていなかったかもしれません。
だから12話で躓いてしまった。

自分がこの先どうなるのかに自信を持てなくなってしまった。
リーダーの条件として考えれば、11話・12話の展開はまさに必然だったといえるでしょう。


そして最後の第五の条件
「修羅場」の経験
穂乃果はこれまで非常に幸せに育ってきたように見えます。
例えば、富野信者のグダさんが12話の展開について
「富野ファンから言わせると母親が優しく、学校外の人が出ないため、
修羅場としては全くぬるい。都市型現代っ子向けに薄めた修羅場。」
と言ってますが、
まさにその通りで、そのくらい、穂乃果は修羅場を経験せずに幸せに生きてきた女の子だったのです。
戦争を経験している富野さんや、難しい家族環境であったグダさんに比べて、
彼女はヌルイ世界で生きてきた。
絶対的に「修羅場」の経験が足りないのだ。


だから、彼女が本気でなにかをやり、
リーダーとして、そしてアイドルとして生きていくなら、
修羅場を経験しないといけない。
そしてそれを乗り越えていかなければならない。


日経のコラムにはこう書いてあった
「資質に恵まれても磨かなければ光らない。困難な場に身を置いて
自らそれを打開することで資質は開花する」




正直なところ、13話の展開は、私はヌルイと思った。
ヌルイと思ったが、これで良いのだと思った。
4月1日に放送されるアニメとして、
新社会人の門出を祝うアニメとして、
恐れずに修羅場にぶち当たり、そして打開してほしい。
意志力で修羅場を打開できるという希望を持って欲しい


そういうメッセージを感じた。


今日から社会人になるものたちに祝福を。