マジェプリ6話「言ったはずだ!ウシロシンジは天才であると!」


同意、ウシロシンジは天才。


というわけでマジェプリ6話です。
ここまで面白かったわけですが、
6話をもって、「プロローグ終了」というところでしょう。
この構成観は、「ゼーガペイン」を思わせる。


ノーマッドグロス回としての参加ですが、
元永さんとウシロシンジさんが相性が良いですね。


例えば二人とも00年代以降に活発に「画面分割」を最前線で使ってきた演出家
参考 http://d.hatena.ne.jp/n_euler666/20110703


この二人が組んでいるのだから、当然


ウシロシンジらしさでいうと

こういう何気ないカットで
「あ、ケイは本当に校庭の真ん中でやってるんだw」
というのを感じさせるのもポイントが高い。


ウシロさん、何かこういう「広い空間にポツン」みたいの
結構好きだよね


そして

このカット!
ウシロシンジさんてやっぱ天才だわ。


天才性でいうと

これも!
こんなカット入れられるのはウシロさんとあえて言えば川口敬一郎さんくらいのものだろ。


途中の挿入歌とともにカットバックしていくシーン構成も天才的だった。
その核心は、ウシロさんの圧倒的なPANの技術力。


特に今回びっくりしたのが

このカット。
一瞬何が起きているのか分からなかった。


このカット、実は物凄くゆっくりと横にジワPANしているのだ。
カット頭とカット尻を並べてみると


PANしていたことがわかる。


この「凄いゆっくり」というのがまず独特。
最近の「FIXブーム」で言えば、
普通の演出家ならドヤ顔でFIXで繋いでいくところ。
そこを「FIXかと見紛うほどの遅さ」でPANさせる、という発想。


さらにこのカットのからくりはその背景。
背景のスクリーンに映し出されている下段の模様
PANとは逆方向に動いているというのが、
視覚トリックとなっている。


つまり、「模様の動きのためにPANしているような錯覚を受けている」のか
「本当にPANしている」のかが直感的に混乱するのだ。


そして、この超ジワPANで繋いだ上でシーンラストの

このカットはFIX。


超ジワPANはミレポスズカゼ教官の迷いを
そしてFIXは教官の決意を
それぞれ感じさせる。


視覚トリックより視聴者が感じた「混乱」は同時に教官の混乱でもある。


いまさら言うまでもないが、このアニメの裏の主人公はスズカゼ教官である。
彼女の物語と言ってもいい。


だからこそ、地球側のラストカットを

この画で締める。
イズルでもザンネン5の面々でも見送る生徒でもなく、
スズカゼ教官で締める。


それがウシロシンジの、そしてこの作品の選択なのだ。