ステラ女学院9話〜エフェクトと色彩
ステラ女学院9話!
素晴らしい!
物語的にもキャラ的にも俺にとって最高においしい展開!
でも、この9話、それだけじゃなくて、
やはり見るべきは画面だ。
絵コンテ・演出はアニメアールのベテラン・吉田徹さん。
吉田さんといえば、装甲騎兵ボトムズの後半から原画マンとして頭角を現し、
アニメアールの主力として、日本サンライズのロボットアニメの
メカ作画・破片・エフェクトを支えた、
スーパーメカアニメーターだ。
近年は演出メインになり、ロボットアニメの減少で往年の実力を見せることも少なくなったが、
コードギアス・グレンラガン・聖機師物語・ガンダムAGEと00年代もロボットアニメには頻繁に参加し、
前期も、ガルガンティアとヴァルヴレイブに両方参加。
メカアニメーターとしても健在だ。
そんな、ボトムズの頃から高橋良輔監督のもとミリタリー志向作品に参加していた吉田さんが
このステラ女学院に参加するというのは非常に心強い。
吉田さんのステラでの特徴は何と言っても
エフェクト!
特に発射のエフェクトが抜群!
と往年の「アニメアールのエフェクト」を惜しげもなく披露!
吉田さんが演出処理までやっているからこそ出来る、
エフェクトの妙技。
アニメアール信者の某氏も「ステラ2話最高だったよ!」と大絶賛でした。
しかし、このエフェクトもただカッコイイだけで終わったら、
それは作画の妙味でしかありません。
この話数では、そのエフェクトの妙味を演出に繋げてきたのです。
このカットの凄さは何と言っても色彩
絵コンテも原画も基本的にはモノクロであり、
色味というのは、意図しない限りは画面には現れてきません。
そしてさらに演出として際立っていたのが、
ラストカットにつながる。
この色が変化するエフェクト!
青から赤へ
青と赤は、このステラ女学院のテーマを象徴するものの一つ。
これについては、いくつかの解釈が出来る。
例えば、色の認識についても、制服の色から
つまり、ゆらが、青をバックに背負っているのは、
ゆらが明星にいくことを意味しているという訳だ。
これは、物語からストレートに読み取れる部分。
しかし、物事はそう単純ではない。
青は明星の色であると同時に
はっきりと、そのらの色だ。
そのらは、一人だけいつも青を基調とした服をきています。
ゴーグルも服も青。
青はそのらの色。
一方、赤は
ゆらの色
髪もゴーグルもグローブも赤。
赤はゆらの色。
名前の由来の実のところはわかりませんが、
そのら→空
ゆら→夕日
明星→暁の星
ステラ→恒星・太陽
なんていう連想もあるかもしれません。
ラストカット
や
この色の変化は非常に興味深い。
赤をシンボルとして持つゆらが青を背負い、
青をシンボルとして持つそのらが赤を背負う。
この表現は両面性・あるいは多面性をもっているのだ。
赤いステラの中で青を貫くそのら。
赤を持つが、明星の青に魅かれるゆら。
明星あるいは凛とそのらが共通する青。
青が悪で赤が善というわけではないし、
青い明星にいくゆらが悪いわけでもない。
世界は、いろんな色が入り乱れて構成されている。
単純化して青と赤に絞ってすら、
それは互いに交錯するシンボルとなる。
その複雑な世界で、どうやって自分の色をもち、
さらに他の色と折り合いをつけていくか、
ステラ女学園9話の画面からは、そういうテーマを読み取ることが出来る。