ステラ女学院10話〜ゆらの「メンコ」と「ブリンカー」


ステラ10話、またも素晴らしい仕上がり!


今回は、
元永慶太郎監督とともに刀語」「ヨルムンガンド」で戦いの在処を追求してきた
岩畑剛一さんがコンテで参加


これは意外な展開ですね。
一部では「ヨルムンガンドじゃないんだからこういう展開は・・・
とか言われていましたが、
まさかヨルムンガンドでコンテ・プロップデザインで八面六臂の活躍をした岩畑さん
が参加するというのは、
まさにこの作品が方向として「ヨルムンガンド的」であることが示されたといっていいでしょう。



さて、見るべきことや気になった点は非常に色々あるのですが、
とりあえずこのシーンは触れざるでしょう


このシーンの素晴らしさは
1、れんとの台詞と演技
2、絵的なエロス
3、象徴的な演出
が同居しているということ。


特に3はかなり心打たれました。
ついついれんとの良さに目がいってしまいますが、
ここでそれと同じくらい重要なのが「何で目隠し・遮音ヘッドホンなのか?」ということです。
これがこのシーンの肝になります。


まず、ゆらの元々の髪型を思い出してみましょう


そうです、この髪型です。
この髪型は何を意味しているのか?


この髪型は、競走馬でいう「ブリンカー」と「メンコ」なのです。
実物を見てましょう

この目の部分のカップみたいのがブリンカー(遮眼帯)で、
耳を覆っているのが「メンコ」です。


馬というのは基本的に臆病な動物なので、
このブリンカー前方しか見えないようにすること
他馬を怖がったり、よそ見をしないようにしレースに集中させる矯正馬具です。
メンコも同様で、周りの音に驚かないようにするために、音を遮断するもの。


そう、元々のゆらは
臆病なので髪によって耳を隠し、視界を制限していたのです。


それでも、ゆらは3話で自分の臆病を恥じて髪を切りました

形から入ろうということですね。
いわゆる「形から入る」「アウトサイドイン」ってやつですね。


でも、それで「すぐに内面が変わる」わけではありません。
やはり、根は臆病なのです。


つまり、この10話の目隠しとヘッドホンは

元々の髪の代わりとなっていて、
ゆらが髪を切る前に戻ってしまったことを演出しているのです。


さらにそこに

この表現。
目隠しは、ゆらの視界を制限していると同時に、
「涙」を隠してもいるのです。


でも、その涙は隠しているがゆえに伝わらない。
それはまさに、1話で、話掛けようとしても声が出なかったゆらと同じ。


この話数はゆらが全てを失う話であると同時に、
ゆらが元に戻る話でもある。
でも、全てが元に戻ったわけではない。
それがどうなるか。
そこが残り話数の焦点になるだろう。


備忘メモ
・凛の正体と判断
・ゆらは自己愛EM的には歪んでない良い娘