魔法つかいプリキュア3話!テンポとイメージの連鎖!
魔法つかいプリキュア3話、このスピード感、イメージの重ね方、
こういうアニメを求めていました。
正直なところ、あまり魔法つかいプリキュアにはそこまで期待してませんでしたし、
1話、2話もそれほどグッとこなかった。
段取りをこなしている割に、状況説明が十分できてるかというとそうでもない、
という印象。
「ふたりはプリキュア」を意識しているというのはわかるものの、
形は真似ていても、「ふたりは」ほどの勢いがないのではないか?と。
しかし、この3話。
1話、2話のフラストレーションを解消してあまりあるテンポの良さ!
いきなりこのシーンから入るというのが、
この回の「テンポ」に対する強い意識を感じる。
本来であれば、
・自宅に連絡を取りたいと主張するミライ
・どうすれば連絡が取れるか?
・校長に聞く⇒水晶で電話出来る
・なんだって〜
みたいな段取りが必要な場面、そういうのを全部飛ばしてこのシーン。
そして
「水晶の前で身振り手振りを交えながら説明するミライ。後ろで見ている校長とリコ」
というカットを入れることで、
上記の説明代わりにして
ミライ・リコ・校長のキャラクター性が見える描写を入れている。
ミライの身振り手振りに表情を変える校長とリコの描写は、
この長目のカットの良いスパイスにもなっている。
冒頭から非常に巧みな組み立てと言えるでしょう。
●場面切り替えの妙
この回は場面の切り替えが非常に上手い。
OP、タイトルをシーンの切り替わりに上手く使ってるのも
好印象ですが、
やはりその次の洋服屋のシーンの上手さでしょう。
シーンの入りがまず「丸ワイプ」を使ったアイリスインから!
町の中をチンタラと歩かせずに、パッと店の前まで連れていってしまう。
この思い切りの良さ!
ワイプの○とお店の看板の形が揃っているのも映像的に面白い。
お店の中でも、「ワイプ代わり」のものが登場します。
洋服作りや着替えの工程をこれらの映像演出で
サクッとおしゃれに見せていくわけです。
この洋服屋でのシーンは、尺としては約2分。
非常にコンパクトに、それでいてインパクトのある場面に仕上がっている。
●映像の連鎖〜○のイメージ〜
先ほどのシーンのワイプ、
洋服屋の看板と合わせて出来ていますが、
それだけではありません。
他のシーンのカットとまとめて見てみると
「○」のイメージの連鎖で繋いでいることがわかるでしょう。
このイメージの連鎖の背景にあるのは、
この回から声が付いた魔法の水晶(CV新井里美)
でしょう。
今後、ストーリーにかかわってくると思われる
この魔法の水晶を「無意識」から印象付けようとする、
このイメージの連鎖は明らかに狙った演出。
演出は暮田公平さん。
アニメに関わる前はデザイナーだったという暮田さん
(参考:http://www.toei-anim.co.jp/tv/marie_gali/special/inside02.html)
なら、こういったイメージの連鎖を軸に演出を組み立てていくのも納得がいく。
また上記インタビューで話に出てくる貝澤さんは
http://www.toei-anim.co.jp/tv/marie_gali/special/inside01.html
でテンポやリズムの話をしているというのもポイントだろう。
貝澤さんの「画の旋律」という言葉は興味深い。
また、プリキュアなどの東映アニメーション作品は
1クール目はシリーズディレクターのチェックが入るという話も聞く。
これまでの1話、2話とは全く違った演出になった3話、
三塚SDに寄るものか、それとも暮田さんに寄るものか、、、、
今後のシリーズを見ていきたい。