「こども向けアニメ信仰」の復活
ZEROWORKS・IZUMINO・akita_kia各氏が
子供向けアニメについてツイッターで語っているのにインスパイアーされて
10年近く前、エヴァブームが終わって「ゼロ年代」が始まる2003年までくらいの頃に
「こども向けアニメ信仰」っていうのがあった。
まずは参考資料
http://www.style.fm/as/13_special/houdan_050622_4.shtml
>佐藤 でも最近、年かさのアニメファンで
> 「子供のための作品がいい作品なんだ」と言っている人がいるじゃない。
>小黒 いるね。多数派じゃないと思うけど。
>佐藤 アニメファンと呼ばれていた人達が大きくなって、おっさんになったという事ですかね。
> 昔は通俗性を肯定して、「アニメなんか観るんじゃないよ!」
> と言っていた大人に腹を立てていた人達が、自分が大人になって、もっとタチの悪い事を言い出し
> たって感じで。なんというか。子供にしたら大きなお世話というか……。
>小黒 えーと、それは『コメットさん☆』とか『おジャ魔女どれみ』を絶賛している人達の事だよね。
>佐藤 な、なんて露骨な事を(笑)。ああいった反応は、
> 作ってる人間も認められてるんだから確かにうれしいんだろうけど……うーん、何かね。
>小黒 まあね。誉めたい気持ちは分かるけど、子供向けだから優れているわけではないよね。
『どれみ』の開始が1999年でコメットさん☆が2001年。
この対談の佐藤竜雄は
その上の
>「マンガやアニメは今や文化的にも素晴らしいものです」なんて発言を時々、
>目にするけれど、ちょっと違和感を感じちゃうというか。
>評論をされる方が言うのはまあいいとして、作り手の方までその気になっちゃうのはちょっとね。
という部分も含めて、いまこそ注目すべき部分が多い。
で、本題に戻ると、
また最近ちょっとこの「こども向けアニメ信仰」が復活してきてるな、
と感じるわけです。
10年前の状況は、エヴァブームに蹴りがついて、
次に向けて迷走していた時期。
エヴァはまさに
「アニメは今や文化的にも素晴らしいものです」
みたいな輩を大量発生させたわけだが、
アニメの数が無駄に増えてクオリティ的にきついのも増えた。
その一つの結果が1998年のかの有名な『ヤシガニ屠る』
そんな中で、注目されるようになったのが「こども向けアニメ」だった。
エヴァ以前のオールドオタクには「これこそがアニメの本質」みたいなことを言われ、
「アニメは今や文化的にも素晴らしいものです」教の知識人きどりには
「こども向けアニメの文化的価値」みたいなことを言われ、
持ち上げられたわけですなぁ
K様とかイズミノさんとかの会話を見てて、
なんかまたこの歴史が繰り返されようとしてるかな、と。
アニメを取り巻く状況もなかなか近いですしね。
例の『思想地図』等などを見ても、東なんとかを始めとする、
アニメを出汁に稼いでる連中が腹を空かせているのは明白。
次あたりで、
「こども向けアニメ」
を「社会学(笑)アニメ」の次の出汁にしてくるのは
十分ありえることだな、と。
今度は教育とかと絡める気かな。
エロゲ・ラノベ嫌いの『硬派アニオタ』が
「アニメはポルノ産業ではない」とか言ってるのも、
こども向けアニメ信仰の前触れのようにも感じるし。
『オトナアニメ』なんていう中途半端なアニメ雑誌があったけど、
『オトナアニメ』が煮詰まれば次に標的になるのは『コドモアニメ』
本質的にはその二つに何らの差異もないと思うんだけどねぇ