極上!!めちゃモテ委員長10話〜ダブルタスクの演出

演出うめぇ
羽原久美子さんかぁ


とりあえずピックアップするのはこれ


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委員長の妄想の中のゴールシーンです。
なんか周りに浮いてるのは花びら。
まあ少女漫画にありがちのイメージシーンってやつですね。
いかにも妄想、いかにも少女漫画というカットでしょう。


でも、この花びらをその場だけでにしないのが
めちゃモテ委員長の演出の巧いところ。


実際のゴール直前のカットを見てみると
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こちらの花は斜め上に飛び散るネイルアートです。


背景の白と黒
落ちる花びらと飛び散るネイルアートの花
妄想と現実


ネイルが飛び散るという「めちゃモテ」委員長にとってのまさに必死の頑張りを
表現すると共に、妄想とのギャップ、ひいてはこの回全体の「構造」を作っている。
非常に巧い演出です。


あと語りやすいのはこのカット
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この娘は、テニス部1年なのに委員長の入れ知恵によって
好きな人のためのネイルアートをする、という話の流れから、
「ネイルに力入れすぎてちょっと寝不足」
とか言う始末。
結果、部活の先輩に「今はネイルではなく、テニスの上達に集中しましょう」
と言われる、と。(ここで先輩が嫌な感じじゃないのが、「倫理」的ですね)
そしてこの画像の表情。


この背景の曇空がこのキャラの心情を巧く表現していますが、
それだけではありません。
「寝不足」「曇り空」という要素が、
この後のストーリー展開に大きく関わってきます。
ただ先輩に注意されるためだけの寝不足ではないし、
心情表現のためだけの曇り空でもない。


一つの表現に幾つもの意味を込めることで、
話の単純化を防いでいるというのが重要です。


基本的に「めちゃモテ委員長」はストーリー自体はとてもシンプルなのですが、
シンプルだからこそ、演出の力量が問われやすい作品と言えるでしょう。