プロの理論とそれをプロじゃない人に説明すること


俺は数学関係の仕事を民間企業でやっているんだが、
はっきり言って、お客さまも営業関係の人も
数学的な理論なんてまったくわからないわけですよ。


でも説明しなきゃいけないし、厳密ではなくても、
その理論の単純化された概要でも理解してもらわなければならない。


そうしなければ、その理論がどんなに優れていても、
商品化されることもなく、導入されることもなく、
お客さまが買うこともない。


でも周りを見ても、そのことを理解してる理系の社員は少ない。
「でもそれは厳密ではないよね」とか
「でもそれは単純化された世界の話」とか言う。
確かにこの人達は数学能力という意味では俺なんて足元にも及ばないほど優秀。
でもそれでは、例えば他部門の人に説明できない。


で、説明できる人がいないかというと、
説明できる人が役員になってる。


「数学が分からない人達にこれ説明して分かってもらえると思ってるのか?」
がその人の口癖。


四則演算で微積分も数理統計も説明出来なきゃ駄目
ルベーグ積分を持ち出すなんて以ての外


以上の話を鑑みるに、
確かに
>原始時代の単純な論理で現代アニメのカットは割れない


でもその結果、妥協せずに文章化したのが
これ
http://keiesworks.blog122.fc2.com/


某ラジオで「わかりにくいよね〜」と言われた俺が言うのもなんだがw、
これを普通のアニオタが見て
ヒャッコ」なり「ホワイトアルバム」なりの凄さを理解して
視聴・購入という行動に繋がるとは思えない。


なら、誰が見ても分かるように書かないと駄目。
例え「割れない」としても単純化してわかるようにしないと駄目。
それで飯を食ってるプロならね。


どんなに複雑な理論で作られていても、見てもらえないんじゃ意味がない。
純化して説明しても、ちゃんと見てもらえば、
「複雑な理論」の恩恵を受けてもらえる。


俺は基本的に自分の思ったことを書き連ねているだけだが、
(この記事もそう)
時々そこらへんを気にすることもある。
キャプを使ってる記事とかフォント弄りしてるのはそれ。
演出家の名前や歴史に注目するのも同じ。