魔法使いTai!

お正月を利用してOVA版魔法使いTaiを再見。
うむ、やっぱり4〜6話のドライブ感がたまらんなぁ

参考記事としては
たまとわさんところのこれ
とかお勧めです。


どれくらいの人が「魔法使いTai」って見てるんだろう?
結構微妙な位置にいる作品なんだよね。


まあ、はっきり言って、萌えアニメです。
10年は早かったですね。
今のアニメでいうと
天地無用→ライトノベル原作へ
魔法使いTai→日常系萌えアニメ
みたいな。


とにかく、佐藤順一監督に自由にやらせると、
実験したくなっちゃうというのがね、
魔法使いTaiの1〜3話を見ると分かると思う。
いや、それでもちゃんと魔法使うからなぁ
そこらへんは、
そうは言っても「けいおん」にならなかったのは
「メカSF要素」を混ぜておいたサトジュンの手腕かな?
そういう意味では、サトジュンは「けいおん」をやりたいと思いつつも、
でもそれじゃあしょうがないよな、って思ってたのかもしれない。


演出的には4〜6話、特に5話は必見。

↑これ。
有名な1カット約40秒の失恋シーン


佐藤順一はトリッキーな演出をしない職人タイプ」とか嘘だよ。
場合によっては「トリッキーな演出」も出来るから職人なんだ。


「情感を形にするのが佐藤順一演出」とか錦織監督が言ってたけど、
まさにそうだよなぁ。
形のないもの、形而上のものをアニメによってわかりやすい形にする。
アニメの基本にして本質。
だから、「感情」の乗っかるシーン、泣かせとか熱血とか哀愁とか
そういうところに特徴が出る。


でも、サトジュンの演出は複雑すぎて何が良いって言いにくいんだよなぁ
なんつーか
「3割20本20盗塁でさらに盗塁阻止率90%で守備はどこでも出来て
さらに配球にも定評のある捕手」
みたいな。
全部を組み合わせてくるんだ。
カット割り・レイアウト・音楽・演技指導・撮影などなど
どこかだけ切り取ってももちろんすごいけど、
それが重なり合って完成されたものになる。


でもその重なり方が複雑すぎて、ぱっとはわからなくなる時がある。
だから、時間を置いて見直すとまた違った風に見えたりする。


やっぱり、もうちょっと一芸に秀でた演出家のアニメを見て
勉強しないと、佐藤順一演出はちょっと歯がたたないなぁ
そんなことを思った正月だった。