シンフォギアとローテ絵コンテマンの重要性


俺にとってのアニメの中の良作になるための要素に、
「ローテコンテマンの腕の良さ」と「ローテグロスの質の高さ」がある。
シンフォギアの質の高さはこのうちの前者、
「ローテコンテマンの腕の良さ」にあると思う。


まず、シンフォギアは現在のところ、ほぼ3人で絵コンテを切っている。
いわゆる「総力戦」になりやすい1クールモノの深夜アニメにしては、
この人数でローテしているの珍しい。
例えば、同じオリジナルアニメの「ラグランジェ」なんかは、ほぼ全話違うコンテマンが
コンテを切っている。


しかも、シンフォギアの場合は監督+監督クラスのコンテでローテしているというところが特徴的だ。
富野監督と出崎監督との間で「コンテで7割」と同意したように、
コンテのアニメにおける重要性は非常に高い。
そこで、コンテマンを整理おこう。


伊藤監督:1話・4話・5話
安田賢司さん:2話・6話・8話
下田正美さん:3話・7話


伊藤監督はいまさら説明するまでもないだろう。
元々腕利きのアニメーターであり、アクションは勿論のこと、
レイアウト能力も高く、さらに佐藤順一門下でもあり日常表現も巧い。
最近では、シャフトとの仕事も行い、サトジュン流にはない
表現主義的な演出技能も取り入れている。


安田賢司さんも、本来であれば監督をしていてもおかしくない実力者だ。
しゅごキャラ」の監督の印象が強いが、
過去にはブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom」の助監督として
八面六臂の活躍をしていたことも忘れてはいけない。


日本のブギーポップファントム研究」の第一人者であるkarimikarimiさん
安田賢司さんのコンテ回・8話をすかさず記事にしているのも要チェック
(参考:http://d.hatena.ne.jp/karimikarimi/20120302/1330702740
しゅごキャラ」と「ブギーポップ」の中間に「シンフォギア」があるという解釈も面白いかもしれない。


下田正美さんはなんと言っても「ゼーガペイン」の仕事が印象的。
近年の11eyesも非常にパワー溢れる演出が見れる作品であったし、
こういう「厨2系アクションモノ」こそ下田さんの本領なのかもしれない。



さらに、最新話の9話には林直孝さんがコンテマンとして参加。
直近の仕事が「森田さんは無口。」と「セイクリッドセブン 」なことを考えれば、
まさに打ってつけ、絶妙の起用。
9話の百合的日常表現(買い物とかカラオケとか)は、
まさに「森田さんは無口。」での百合日常百本ノックの経験が生きている。
厨二的アクションの方は、「ゴンゾIZMの継承者」の魂の方が炸裂。
ほどよいチープさがGOOD。



そういえば、
9話は原画に小田裕康さんがいましたね。
多分、最後のパイルバンカーのあたりとかをやっているんじゃないかと思います。


小田さんといえば、なんと言っても「なのは3期」の「8話=頭冷やそうか回」。
シンフォギアになのは3期を見ている人も
(参考:http://www.mypress.jp/v2_writers/kamisra2/story/?story_id=2007511
いることを考えると、これもなかなか面白い巡りあわせですね。
武器も似てるし。


そんな感じで、シンフォギア9話も面白かったです。