ガンバ見ろよ、ガンバ

karimiさんがなんかまとめてくれてる
http://d.hatena.ne.jp/karimikarimi/20090607/1244372464


中で
こんなブログを見つけた
アニメ演出の光と影〜押井と出崎のレイアウト〜 - 法華狼の日記
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20080816/1218949013#20080816f7


ほとんど同意です。
これだけ黄瀬さんに注目してる記事なのに、
コメントで全然黄瀬さんに触れられてないので、
今更コメントしてみた。


ただ、この部分だけは頂けない。

>レイアウトというアニメーターの技術をたよる押井監督に対し、出崎監督は入射光や陰影という撮影の技術をたよる。
>アニメーターが作った絵を、撮影段階で見えにくくされたりもするわけだ。
>止め絵による陰影表現も、絵を動かしたがるアニメーターからはやはり好まれないだろう。

>出崎監督が演出家として最盛期の時代、今ほどアニメーターの質も量もそろっていなかったという事情もあり、
>撮影にたよる演出を選択していった結果、現代では使われにくい演出技法に行き着いた。
>止め絵や構図といったわかりやすい特徴は真似できても、
>出崎監督ほど陰影やタイミングを操れる演出家は、山内重保監督*12くらいしか思い当たらない。


まるで出崎がレイアウトを重視してないような口振り。
むしろ、押井がレイアウトに目覚めたのは
出崎・小林七郎コンビの「劇場版エースをねらえ」なわけで、
そもそもおかしい。


幾原邦彦小林七郎との対談で


>画面の中にレイアウトを切るとき、カメラレンズを想定する。「密着」「望遠」、これを初めてやったのが
>出崎さんなんだよね。
>絵には望遠はないはずなんだよ、普通。でも出崎さんは2次元の世界でカメラレンズを意識したんだよね。
>今はみんな無自覚に望遠とか使うけど、これは出崎さんが発明したもの


と言っている。
押井が「劇場版エース」を見て「アニメを映画にする方法」を学んだ話は有名なのでもういいでしょう。


出崎・小林の「レイアウトによる心理表現」あるいは
「実際にどう見えたを超えたレイアウト演出」を
自身の「虚構と現実」というテーマの表現手段に用いたのが
押井という構図。


あと


>出崎監督が演出家として最盛期の時代、今ほどアニメーターの質も量もそろっていなかったという事情


なんてない。
ガンバのレイアウトを見れば分かる。
芝山努のレイアウトに敵う奴なんて今もいないよ。
それこそ質・量ともに。
TVシリーズで全話・全カットのレイアウト切るなんて、
井上俊之も言うとおり、アニメの歴史上で
宮崎駿芝山努と桜井美知代の三人しかいない。


その後のあんなぷる全盛期になれば、アニメーターは選り取りみどりだしねぇ
杉野・川尻・大橋はもちろん、森本・福島敦子・大塚伸治・中村隆太郎
コブラには宮崎駿も助っ人参戦する始末。


あんなぷる末期は辛そうだったけど、それでも90年代前半は杉野さんの絵が完成してる時期で
一人で最強だったし。
「おにいさまへ」のレイアウトも良い。背景美術がイマイチだけど。