異性の同性愛を好むのは女性特有のことなのか?
やっと休みですよ、ということでなんか書いてみる。
まずは666さんのこれ
http://d.hatena.ne.jp/n_euler666/20090819/1250692396
「百合アニメってBLの派生なんじゃないの?」
みたいな言説ですね。
その裏には666さんが言うように「男の女性化」みたいな
論理が働いているんだけど、それはちょっと待って欲しい。
別に少女漫画において同性愛が圧倒的多数、というわけではないじゃん。
むしろ、異性愛というか、普通に主人公が女の子で
男と恋愛する漫画の方が多いでしょ。
統計はとってはないけど。
男がアニメおいてレズを好むのも、666さんのところでも書いたとおり、
80年代からある話。
前にも「00年代」云々という類の文章について書いたとき
(http://d.hatena.ne.jp/mattune/20090522)
にも書いたけど、
世界初の美少女エロアニメの2巻はレズもの・百合ものなのだ。
そして、それ以降コンスタントに「美少女ばかり」の美少女アニメが発売されていく。
あるいは90年代の初めに「セーラームーン」がオタクから
圧倒的な支持を受けることになる。
これに反論したのが、ハーレムアニメ中興の祖・梶島正樹だ。
ここで彼のインタビューを引用しよう。
>―― 『天地』の1本目は、非常に新鮮でした。当時としては、非常に潤いのある作品でしたね。
>梶島 そうですね、出たタイミングも良かったと思います。
>―― 『うる星やつら』以来、絶えて久しかった明るく楽しい美少女ものでしたよね
>梶島 そうですね、美少女ものといっても極端だったですからね、美少女しか出てこないじゃないですか(笑)
>―― そうですね(笑)
> 男性が居ないと女性が女性らしくなる状況はできない。
> 勿論、逆も言えますし。だから、どちらかしか出ない作品はあまり好きじゃなかったんですね。
「明るいハーレムアニメ」に食傷気味の『00年代』のオタクには
『天地』が新鮮だった、と言われてるのが非常に新鮮じゃないでしょうかw
ちなみに、同インタビューで梶島が、小さい頃は従姉妹のお姉さんの持ってた少女漫画くらいしか
漫画を読んでなかったとも言っている。
少女漫画と社会性(http://d.hatena.ne.jp/mattune/20090730)
でも書いたが、梶島のルーツの一つに少女漫画あることは割とわかりやすいと思います。
さて、とすると、ハレームアニメと百合アニメという二項対立を
ここ20年間は行ったりきたりしてる、と考えられるわけです。
あるいは止揚としての「女装した・可愛い男が主人公」のアニメが試みられたり。
「男がロボットorコロニー」というのもありましたがw
今期は明らかに百合アニメ時代のピークでしょう。
多分、そろそろ反動が来る頃。
というよりも「プリンセスラバー」に大分反動が見える。
そこらへんはK様いうところの「大きな歴史の流れ」でしょう。
「腐女子こそ女性的発想」であり「男が女性化」したなら
この先ずっと「百合アニメ」ばかりになって
「歴史の終わり(フランシス・フクヤマ)」ってことなるんでしょうけど、
まあ歴史は終わらないでしょうねぇ