サマウォにも新エヴァにも足りないもの

tokigawaさんの
http://d.hatena.ne.jp/tokigawa/20090822
からインスパイア


つまりね、


>目的を成し遂げるためのプロセスに「痛み」や「代償」


って考え方がすでに『段取り』
なんだよ。


「痛み」とか「代償」があったから、成功したんですよ〜
みたいな。



でもさ、エヴァの原点に戻るとさ、
ナディアで、「痛み」も限界まで受けて「代償」も極限まで払って
でも巧くいかなくて凹んで庵野なわけじゃん。


その凹んだ庵野
『「痛み」とか「代償」とか有ってもダメなのが現実だよな。
しょうがないことなんだ。それでもいいんだ。』


ってなったのがエヴァの最後。
というのが、当時エヴァ厨だった俺の認識だった。


そこからすると
『「痛み」とか「代償」を払えば、成功するんだ!頑張れ!』


みたいな映画を作られても、もうそれは作り物なんだよね。
成功者の作品というかね


出崎が劇クラナドのパンフでこんなことを言っていた。


>出崎  だって、世の中で思った通りに上手くいく人間なんて一握りでしょ。
>   大体アジのあるいいやつっていうのはね、失敗して思い通りいかなかったやつだよ
>   思い通りにいったやつなんて、天狗になっちゃってさ、醜悪な人間になるものだよ。
>    これは成功した人間への妬みかもしれないけどね(笑)。
>   挫折するから色々考えるし、人に優しくなれる。その方が面白い人生を生きられると思うよね。
>   だから、失敗して投げやりになっても、最終的にはポジティブな方向に進んで欲しい。

>   だから成功した奴には興味ないんだ。
>   成功したやつなんてつまらないと思うもの。



これを始めて読んだ時、
これは『ガンダム』の解答であり、『ウテナの樹璃編』の解答であり、
『旧エヴァ」』の解答だな、と思った。


エヴァの頃の庵野と作品の表現としてこれよりピッタリくるものはない。


今の庵野細田守にはそういう『ロマン』がないよね。
ロマンが足りない。


そこらへん富野は『ロマン』だよね。
『ロマン』だけでアニメを作ってる。


その点で言えば、最近のアニメ映画では劇場版エウレカが一番『ロマン』があったんじゃないかな。