実は佐藤順一監督にはクローザー適正がないのではないか、という懸念


事の発端はもちろん「迷い猫オーバーラン!」だ


ここで、佐藤順一監督の功績を振り返る。
ポピュラーなところで言えばやはり


セーラームーン
おジャ魔女どれみ
ケロロ軍曹


の三作品だろう。
これら三作品を見ても、佐藤順一監督の「企画立ち上げ能力」の圧倒的な高さに
疑念の余地はないだろう。
しかも、どれみはオリジナルだし、セラムンケロロともに原作から大きく改変している。
両作とも佐藤順一の改変が、「国民的アニメ」の地位までのしあげたと言っても良い。
いわば「先発」適正。


だが、一方で佐藤順一作品には「おわり」があまりない。
ケロロはいまだ継続中だし、セラムンとどれみを終わらせたのは五十嵐卓哉だ。


カレイドスターだって、世界が開かれたまま終わったし(ロゼッタ世代の話が始まったって良い)
ストレンジドーンも最後はもやもや。
ARIAは原作が続いてるとはいえ、いつでも続編が作れるようになっている。
きんぎょ注意報も「本当はセーラームーンの後番はきんぎょ注意報2の予定だった」
という噂があるくらい。
「メイプルタウン」はある意味、綺麗に終わってたんだけど、
まさかの「パームタウン編」突入だしw


「ラストで引っ越し⇒引っ越し先で二期」


とか、今やったら超展開扱いなんだろうなぁw


「おわり」らしい「おわり」をやった印象があるのは、プリンセスチュチュかな。
あれは伊藤郁子さんの原案があるってのもあるけど。


いや、逆かもしれない。
「子供向けアニメ」がベースにある佐藤順一監督は
常に「続きが作れる」ように作ってるのかもしれない


半ば無意識に、半ば打算で。
子供向けアニメはオタクアニメなんかよりももっと水モノだ。
人気が出ておもちゃが売れれば、2期があるなんてもんじゃない。
2年・3年とやってくことになる。
ぷっつり終わるラストなんて作ってられない。
むしろ『何年でも続けられる世界の構築』
が第一であり、全てだ。


そう考えると、『迷い猫オーバーラン』の12話がああなってしまったのも納得がいく。
確かに、あの12話から『さらに3クールは出来る』くらいのフリがある。



「大丈夫ですよ、このアニメに人気があれば続きが作れるようにしてあります」


そんなメッセージが、迷い猫オーバーラン12話から聞こえないか?
もちろん、このアニメの続きが作られる可能性は果てしなく少ないが。