この女子、TVアニメと戦えませんか?


山本蒼美さんの作品で最初に見たのは、
「この男子、宇宙人と戦えます。」
だった。


新海誠、いや「ほしのこえ」の影響バリバリで、
むしろ、「ほしのこえ」をBL風味でやるという実験にさえ見えた。


俺がそれでもこの作品に引っ掛かったのは、
その光の使い方が、新海誠ではなく、
出崎さんだったからだ。


山本さんは出崎さんの影響を直接は受けていない。
彼女は新房昭之を通して、出崎さんの影響を受けたように見える。
しかし、彼女の作品は新房さんよりも
出崎度が高く俺には見えた。



彼女は自分の作品をyoutubeにアップしていて、それを色々と見た。

DOGA第21回CGアニメコンテスト作品「セカイ系セカイ論」
http://doga.jp/contest/con21/html/21_49.htm



こちらは高校生の頃のものらしい。


「自分“才”発見プロジェクト大賞受賞
ひろしま映像展本選上映
リエーター支援企画主催第一回作品コンテストで審査員特別賞受賞」


とのことだ。


そして、その後の商業デビューの「この男」シリーズのプロトタイプとも言える
ロボティカ*ロボティクス


と、まあ、何というか、「この男」シリーズも含めて
山本蒼美さんの物語というのは

       ____

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   /  _ノ  ヽ、_  \

  / o゚((●)) ((●))゚o \  生きててもセカイはツライことばっかりだお…

  |     (__人__)    |

  \     ` ⌒´     /





       ____

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   /  _ノ  ヽ、_  \

  /  o゚⌒   ⌒゚o  \  この先も何もいいことないお。俺はロボみたいなものだお。

  |     (__人__)    | 早く死にたいお…

  \     ` ⌒´     /



       ____

     /⌒  ⌒\

   /( ●)  (●)\

  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   でもセカイは美しいから生きてみるお!

  |     |r┬-|     |

  \      `ー'´     /

これ。


で。
俺はこれを見たかったんですよ。
メガネブで。
この「死にたいお・・・・・・でも生きるお!
みたいなのがね。


でも、出てきたのは、なんかアッケラカンとしたもので、
これ山本蒼美さんでやる意味あんの?
って感じ。


そりゃあ
斬新な色彩センスでイラストのように仕上げられた映像や、文字による独自の演出技法
(byこの男・人魚の公式サイトより)
は確かにあったかもしれないけど、
この演出技法って
「死にたいお・・・でも生きるお!」っていう山本セカイ系をやるために最適化されたものであって、
それを何にでも使えばいいってもんじゃないんじゃないか?


もう、これ、山本蒼美さん完全にロボット状態。
「独自の演出技法」ロボ。
それをいい様に使われてるだけ。



って考えたときに、
まあ、今の山本蒼美さんはまさに、
彼女の作品の中のロボットや何でも屋の弟「男子」と同じ境遇にいるわけで、
これが、「この男」シリーズの最新作で
ドロドロとした感情となって表現されれば、それはそれでいいかな、
とも思ったのであった。