ガールフレンド(仮)2話〜同時多発的な物語


前にとある講座で脚本家の方が
「もうハリウッドは三幕構成なんて使ってないよ」
と言っていて、
それに代わる新しい構成として
同時多発性」という要素を挙げていた。


一つの出来事を効率的に構築する三幕構成ではなく、
さまざまな出来事が交錯する物語が
最新ということのようだ。



なんでそんな事を思い出したかというと、
ガールフレンド(仮)2話が「同時多発的」だったからだ。


1話はココミさんとクロエの二人の物語に絞って展開されていた。
いわば単発構成。
それに対して、2話は


・ココミのダイエット
・放送部・桜井さんの校内放送ゲスト集め
・ミヨシさんボッチ問題
・クロエの日本研究(継続中)


という違う次元の物語が同時に進行している。


その同時多発性がわかりやすいのが、
例えばこのカットの距離感

ミヨシさんのボッチ問題とココミさんのダイエット問題は
これだけの「距離」がある。


また、それが明示されてるのが、桜井さんの

それとこれとは別の話でしょう!
というセリフ。


別の物語が同居している事をセリフを通して明示している。


これは、ガールフレンド(仮)本来はモブ扱いされそうなレベルのキャラクターまで
全てちゃんと名前をつけて声優を充てているということに起因する。


ヒロインかモブかは「それぞれの物語」を持っているかどうか、と言っていい。
「クラスメイトA」には個別の物語はないが「見吉奈央」と名前が付けば、
そのキャラには背景や物語が生まれる。


ヒロインが何十人もいればそこにはそれぞれの物語があり、
アニメという形で「時間を切り取られて」も、
その物語は個々に交錯しながら存在しているわけだ。


そして、それぞれの交わりで新しい物語が生まれる。


ココミさんのダイエット問題とミヨシさんのボッチ問題という
「別の話」が交われば、そこから二人の関係性が出来上がっていくのだ。


ラストのこのカット繋ぎ



「距離間」のトリックみたいなもので、
ココミとミヨシさんが離れているカットを先に見せて
未だに二人が「別の話」なのかな?と思わせておいて、
次のカットで二人の距離が近いレイアウトを提示して
そうじゃないんだよ」とやる。
それでもって「同時多発性」が収束して物語が収束する。


こういう、構図で物語を見せていくのがこのガールフレンド(仮)の良さだなぁ、と。