ゲド戦記まとめ

ゲド戦記は基本的に不評であるが、擁護する人もいる
その用語の内容をまとめると


・「ジブリアニメ」として見るから批判が多いのであって、単体としてみてみればそこまで酷くはない
・シーン単位・カット単位では良い所もある


 まず第一に、「ジブリ」のアニメとして「全国ロードショー」で公開された「映画」であるというのは
三重の不幸であったことは間違いない。
せめて、ジブリじゃなければ、せめて単館上映なら、せめてOVAなら
ここまでの批判は受けれてなかっただろう


たとえば、これがAICサンライズあたりのOVAなら、せいぜい
OVAにありがちな、作画はいいが内容は監督の自己満な作品」という程度の
評価で終わっていただろう。
まあ作画スレで「お、敬史きたな」とか「山下明彦はワシが育てた」とか
で話題なるかもしれないがw


 第二に、シーン・カット単位の良い部分は山下明彦氏の仕事ではないかと思っている
レイアウトに関してはほぼ全て彼によるものだし(監督の描いたレイアウトのチェックも彼が行っている)
キャラクターも山下氏らしい立体感がある


例えば擁護派の平川哲夫氏のタナトス
http://bokuen.net/archives/511


も各シーン、もっと言えばカット単位での評価を行っていますし、
「全体としてテーマと表現が噛み合ってなかった」というのは平川氏も認めるところ


もちろん、それが山下明彦氏によるものか、と言われればまったく確証はありませんが、
山下氏は湖川氏の弟子筋で、ジャイアントロボストレンジドーンなどの「タナトス」な作品に
多く関わっており(ビッグオーもやってましたね)
しかも、ゲド戦記の直前の仕事は、
ゼーガペインである。


ゼーガペインは実際にはすでに死んでいて、データとなって生きながらえている人たちの物語だが
まさに平川氏言うところの「タナトス」な作品、
>「わたしはアニメ、虚構の存在なんですよ」と告白しながら「生きて」います
という作品でした。
ジャアントロボのロボ、ビッグオーの記憶、湖川氏の絵の冷たさ
これらは全て「タナトス」なものである


その一方でAS氏のように
http://yaplog.jp/aslog/archive/691#BlogEntryExtend
>ゲドの主人公、アレンには親父の映画には絶対出てこない色気を感じました。


という意見もある。つまり、「エロス」の部分もあるわけです。
男に。タナトスの城の中でアレンが輝いている、と。


宮崎吾郎腐男子でもなければ、
この色気は山下明彦氏のせいでしょうね。
有名な鎖につながれたアレン
http://www.ghibli.jp/ged_01/images/20060617_complete.jpg
の色気は
ジャイアントロボの草間大作の色気にかなり近い。


>演出にはロボットアニメ的なケレン味も感じました


これも同様でしょうね。

結論としては、
山下明彦の仕事の部分は見るべきところが多い
だが、全体としてはその部分部分の良さをまったく生かせていない
作品だった
と言うところだと思います。