GENJIが呪縛エンドだった件について

GENJI最終回やべぇ


なんというんだろう、ここに来て初めて
「プレイボールの業」が源氏を襲っている、そうとさえ思う


ここでGENJIの主軸の人間関係を整理しよう


桐壺=母
藤壺=母の代理
若紫=母の代理の代理∧源氏自身の分身


そこから、母の面影を持つ女性たち
六条(前の帝の后で年上)
葵の上(年上で高貴)
夕顔(純粋さ)
に手を出す。


おぼろんはちょっと別格だけど、だからこそ生き残ったとも言える。


あとはホモソーシャル的な男の仲間達。
ここらへんは「さすが出崎統!」という層の厚さ
劇AIR・劇クラナドなどに比べて、
全盛期の出崎の「男達」がこのGENJIでは帰ってきている


頭の中将・桐壺帝はいうに及ばず、
「兄貴」こと帝王朱雀帝、従者の惟光も非常に良い
頭の中将に関しては、やっぱり杉田さんすげぇな、と
「流行の声優」という見方が一般的だが、その演技スタイル自体はむしろオールドファッション
出崎との相性抜群であった。


「あいにく私は文の方は少々苦手がありまして」
「お前のご主人様の用心・警護のためだ」
そう、これらの会話こそが、あの「頭の中将パンチ」の「段取り」ともいえぬ段取り
伏線ともいえぬ伏線。
あのくらいは当然なのだ、「頭の中将」という男にとっては。



さて、そんな強力なバックアップも受けながらも、
相手にするのは、最終回にして、ついにその本性を表した藤壺である


若紫に対して「俺の嫁」宣言をして、現世については
「この世で最も辛いSM」が始まった光源氏ではあるが、
そちらはまだ可愛いものである


そう、最終回もラスト差し迫ったシーンで藤壺は言う


『もしあの世でお会い出来たら、一緒になるはずのお方ですから・・・!(ハーモニー処理!)』


ゾッとしませんね。
つまり、「死んだら光様とラブラブできるから、小娘はせいぜい生きてる間に楽しんでな」
ってことです。


源氏から見れば、死んでも藤壺の呪縛が待っているという事です。
死ねば現世の煩い事から開放されるのが常人。
だが光源氏クラスになると違う。
死んでも開放なんてされない。
藤壺もその覚悟があるから、全国行脚なんてやっている。
この女、仏に逆らう気満々である。


そういう意味ではGENJIは確かにここで終わったのだ。
もう現世で何があろうが問題ではない。
話の次元が飛躍してしまった。


そう、それは宝探しが終わった後の宝島のように
オスカルが死んだ後のフランス革命のように
観鈴が死んだ後のAIRのように


もし、出崎がGENJI二期を光源氏主人公でやるなら「藤壺カムバック」なくしてはありえない
現世で女と小競り合いしているのは『もっとも面白い部分』にはならない
藤壺」というラスボスともう一度対峙する、これしかない


あるいはネクストジェネレーションの話しかないだろう。