何度も言うけど、エンドレスエイトは

企画としては悪くない。
ただ、京都アニメーションという制作会社とはこの上ないほど相性がよろしくない。


京アニにはグロス回がない。
つまり、どの回も京アニで作るしかない。
京アニ内部は今のところ、少なくとも演出には
京アニたたき上げの人間しかいないので、
多かれ少なかれ似た様なものになる。


例えば、これがグロス出しをしていたらどうだったか。
多分、もっと多様なループを見れただろう。


8回もやるなら、作画がボロボロの回が一回くらいあったって良いし、
ナベシンが出てくる回があったって良い。
背景が小林プロの回があったっていいし、
劇メーションの回があったっていいし、
全編SDキャラ(ハルヒちゃん)でやっても良いかもしれない。
同じ脚本を少女漫画風に演出したり、ホラー風味にしたりも出来る。
BGMをもっと劇的に変えるのも良いかも知れない。


演劇の世界では同じ脚本が違った演出で公演されて
新作の様に好評を受けることはよくある事だ。


確かに、京アニが作った「エンドレスエイト」達も
細かく見れば違いがあるだろう。
しかし、それは京アニ作画監督比較表の様に、
一種のエスパーにしかその違いを楽しむことは出来ない。


この企画はそんな一種のエスパーにしか楽しめないものではなく、
誰でも楽しむようにすることが出来る可能性のあるものなのだと思う。


あるエンドレスエイトは最高に笑え、あるエンドレスエイトは最高に泣ける


「同じ話でも、演出が違えばこんなに違うんだ!」


と演出の面白さに触れるには絶好の企画なのだ。


このハルヒでの失敗によって、この絶好の企画が、
当分はアニメの世界では見られないだろう事が、ただただ悲しい。