俺的Angel Beats!のまとめ〜やっぱりサンレッドに帰ってきたAB論


エンジェルビーツの魅力は
・PA十八番のCGガイドレイアウト
・麻枝の箱庭感
・AICからきた「アニメらしい」演出


この三つの要素の相性が抜群だった。


○CGガイドレイアウトってまさに箱庭なんだよね。
まずCGで建物とかを作って、それを紙に印刷して、
それを元に作画するっていう。
それはCGで作った世界でしかなくて、
「人間の想像力」の一部を「切り取った」、普通のレイアウトとはやっぱり違うんだ。


その「作られた世界」のレイアウトが麻枝准の箱庭感としっかりとマッチした。
この作りモノ感に押井守の「虚構と現実」というテーマや、
谷口吾朗のコードギアスを持ち出す人がいるのは必然だろう。


しかも、それを彩る演出はAIC由来のいかにもアニメらしいハッタリの利いた演出。
岸監督はシリアスとかギャグとかいう次元を超えて、ハッタリの名手だ。
そこにあおきえい・湖山”マイアミガンズ”禎崇・中田氏軍団の方の橋本さんなんかが加わって
そっけない作りモノの世界を華やかに演出してくれる。


○それは例えばSSSという組織にも言える。
そう、岸監督は直前まで「サンレッド」において、
「近所にやさしい悪の秘密結社」を描いた。
その経験がSSSという組織の描写にキチンと生きている。
つまり・・・


サンレッド=天使
フロシャイム=SSS
ヴァンプ将軍=ユリ
アニマルソルジャー=ガールズデッドモンスター
デビルアイ軍団=直井生徒会



こうなるわけ。
ほら、そうすればユリと天使があっさり仲良くなったのも
合点がいくというもの。
SSSという組織が「悪」であるにも「悪」はないことも
ユリというカリスマによって支えられていることも同じだ。


そう、サンレッドの舞台である溝ノ口も同様に箱庭なんだ。
いや、違うな
ABの世界はただの麻枝の箱庭ではなく、
岸監督によってサンレッドの溝ノ口な世界に変えられているんだ!
だから、あの世界には河(つまりあの川は二子玉川)があるし、
天使は天使なのに寮という名のマンションに住んでいるんだ!