八犬伝―東方八犬異聞―の広告記事について


http://animeanime.jp/article/2012/12/04/12272.html
こんなものを見つけた。
若手演出家としては非常に期待している山崎みつえさんが監督をやることで
期待できそうだが、今日の本題はそこではない。


この一文だ


>作画監督は『少女革命ウテナ』などの加藤裕美さんが手がける。


この一文がおかしい。
まず、下のほうにあるデータや公式サイトを見る限り、
加藤裕美さんは作画監督ではなくてキャラクターデザインだ。
もちろん、クレジットはないが総作画監督も兼ねていて、「総」の文字が落ちたとか
杉野昭夫さんよろしく、全話の作監に挑戦している可能性もゼロではないが、
単純にミスと見て良いだろう。


そして、大きな問題が加藤さんのキャリアとして
>『少女革命ウテナ』など
という説明をしている、ということだ。
ウテナオタクとしては非常に違和感がある。


ここで加藤裕美さんについて簡単に書いておく。
加藤裕美さんは日本アニメーション出身の男性アニメーター。
名作劇場の多くに関わった正統派だが、その絵の「エロさ」にも定評があり、
あしながおじさん」や「トラップ一家」での彼の仕事のファンは多い。


「ブッシュベイビー」で初キャラデザの後「ぶーりん」「劇場版ハーメルン」のキャラデザをやって、日アニから出ているようだ。
その後の仕事して「少女革命ウテナ」そして「天使になるもんっ」ということになる。


といっても、ウテナへの参加は第4話だけ。
おそらく同時期に日アニを辞めた錦織博さんのコネだろう。
長谷川眞也さんが加藤さんのファンだったというのもあるかもしれない。


どちらにせよ、まさに「スポット参戦」のような作監の仕事。
第4話は丸丸、加藤さんの作画になっているのでなかなか見ごたえがあるものの
これをもって「少女革命ウテナの加藤裕美」というのは言いすぎだろう。


これが初キャラデザや無名作品しかやったことがないアニメーターならそういうのもありだろう。
しかし加藤さんは前述の名作劇場「ブッシュベイビー」などの日アニ時代の仕事も
「天使になるもん」などの90年代の仕事
そして近年の「ニードレス」「こばと。」「ギルティクラウン」など派手な仕事がいくつもある。
あるいはキャラデザではないが、ひさびさに日アニ以来の盟友・錦織博監督とメインスタッフとして組んだ「禁書?」のキーアニメーターの仕事を出すのも、時事的な知名度としてありだろう。


その中で、なぜ各話作監を一回だけやった「ウテナ」なのだろうか。


可能性はいくつかある。
例えば、wikipeか何かで加藤裕美さんを調べて、
「もっとも女性受けしそうなアニメ」がウテナであった、とか。


でもそれなら「こばと。」でいいんじゃないかな、とか。
せめて3回作監やった「パラダイスキス」でいいんじゃないかな、とか。


あるいはこの記事を書いた人が熱烈なウテナファンだったのかもしれない。
相当コアな。コアすぎるけどね。


そんなわけで、不思議な新番アニメ広告の記事でした。
ウテナ知名度はいまだ健在なのかな?


おまけ
公式サイトのこの娘の

ほっぺの丸が、
やっぱり、加藤裕美さんといえばこれだよなぁ、という感じで面白かった


ブッシュベイビー


天使になるもんっ


ウテナ4話


おまけその2
でも、作画オタク的には、八犬伝といえば、
「The八犬伝」なんだよなぁ。
そして、浜路といえば、新章4話の大平と湯浅
なんだよなぁ。
このアニメに大平回こねーかなぁ。
あるいは復活の崎山北斗回。
もちろん、全編アレで。