ラブライブ10話とけいおん一期4話 - まっつねのアニメとか作画とか

ラブライブ10話。
これが"花田合宿メソッド"なんだよなぁ。

そこで、
花田合宿メソッドの基本である、けいおん1期4話と比較してみよう。

１、仲間のうち誰かは別荘をもってるので、そこが合宿会場

けいおんでは、便利まゆげの別荘

ラブライブでは

俺たちの真姫ちゃん！

２、デカイ別荘も所有者にとっては普通のこと
　　（私服アピールもここで）

けいおん
別荘に到着して、別荘に関心する面々

しかし、沢庵まゆげは大したことないアピール

ラブライブ
別荘に到着して驚く面々

しかし真姫ちゃんは

「そう？普通でしょ？」
でっすよねぇ〜

３、別荘拝見

別荘拝見にも手順があります。
まずベッドです
（けいおん）

（ラブライブ）

次に台所
（けいおん）

（ラブライブ）

花田合宿メソッドとは関係ありませんが、
別荘所有者は下手の手前、その他が上手奥と
構図にも近似したものがありますね。

最後に練習場
（けいおん）

（ラブライブ）

「ここなら練習も出来そうね！」

４、エンジョイ勢とガチ勢の対立
エンジョイ勢は海のことを思うと切なくなってすぐ水着に着替えてしまうの、だ

けいおんは半分である2人がエンジョイ勢

対してラブライブは

9人中3人がエンジョイ勢

５、海では撮影
けいおんはデジカメ

ラブライブはデジタルビデオカメラ

６、風呂は当然露天風呂、当然みんなで入る
日本のアニメの基本は風呂だからね！
（けいおん）

（ラブライブ）

７、合宿の成果は仲間との絆（特に浮いてる奴との）
けいおんの場合は澪

ラブライブの場合は真姫ちゃん

技術面の強化よりも、心情面についての問題を解決するのが目的だった、と。

とこんな感じで、花田合宿メソッドの基本構造を押さえました。

しかし、肝心なのは共通点ではなく相違点です。

例えば、７番の心情面の問題解決にしても
けいおんはそれを唯たちが無自覚にやっているのに対して、
ラブライブは副会長が自覚的にやっていたということを見ても、
軽音部とミューズとの決定的な意識の差が見て取れる。

他にも、注目したいのが
「別荘に着くまでの描写」

けいおんが電車の中のシーンという非常にオーソドックスなチョイスをしている

のに対して、
ラブライブは、駅での集合描写を選択しており、電車の中のシーンはない。

これはラブライブというアニメの性質をよく表した選択ですね。

まず、ラブライブでは徹底して「移動手段のシーン」をカットしています。
電車やバスのシーンは皆無。
時間圧縮的に段取りのシーンを削ろうという意志に加えて、
「電車の中」や「バスの中」などの、空間制限のあるシチュエーションを嫌っているということもあるでしょう。

もちろん、けいおんと違いミューズは人数が多いというのもありますが
ミューズが9人いるとはいえ、2席・3席の形を向かい合わせれば10席できるので、
電車の中でのシーンも可能です。
しかし、構図のレパートリーや芝居の幅は電車の中では大きく制限されてしまいます。
そこで駅、というわけです。

さらに、けいおんとの比較の中で出てくる見方もあります。
それは「誰も寝坊しなかった」という表現です。
けいおんでは、唯が寝坊する

わけです。
意識の低い軽音部をよく表現していますね。

しかし、ラブライブでは逆の「誰も寝坊しなかった」ことを表現したい。
これはなかなか難しい。
けいおんとは逆に9人全員がちゃんと時間に起きた描写を入れるか？
そんなことをしていたら、貴重な放映時間を無駄にしてしまうこと間違いありません。
そこで、圧縮率命のラブライブでは、
この集合というカットを見せることで、一挙に寝坊がなかったことを表現できるというわけです。

そしてそれが、ラストの

ちゃんと寝坊せず、みんな早朝起きてるシーンへと繋がるわけです。

また、別の理由として、東京駅を見せたいというのがあるんじゃないかと思うんですよね。
都市論を軽く触れましたが、このアニメは「都会アニメ」であり「東京アニメ」なのです。
けいおんのように郊外を物語の背景にするのであれば、電車でもいいでしょう。
（郊外論参考：http://d.hatena.ne.jp/girigiri0do/20130306）

しかし、ラブライブでは、秋葉原・神保町・神田という都心を背景として物語を展開している。
前回はそれを全面に出していたわけで、
東京駅というビッグステーションを映すということ自体にこのアニメの思想があるわけです。

相違点としては、澪と海未の対比もいいですね。
張り切ってる割に認識が甘い澪

海で遊んだ後に練習？
甘い、甘すぎるよ、チョコレートみたいにさ！
するわきゃねーだろ！こんなやる気のない連中が！