歴史を感じる、ウテナ勢の2本


ウテナの時に各話演出だった方々が監督になって久しい。


ブラザーズコンフリクト

幾原監督の「輪るピングドラム」の流れを受け継ぐ、
ブレインズベース・常葉みどり班


率いるは、橋本カツヨと並び「少女革命ウテナ」で最多絵コンテ話数を誇った松本淳さん。
監督補佐には、「ウテナ」でも同じく監督補佐だった金子伸吾さん。


松本監督がこの「兄弟」というテーマで再び戦っているのも印象的だ。
少女革命ウテナ」というアニメ自体が、
一つ「兄弟姉妹」というところに重点を置いていたことは勿論、
松本監督自身のキャリアにおいても、
チーフディレクターとして、脚本家出身の藤咲監督を演出面から支えた
BLOOD+」がある。


BLOOD+はまさに「兄弟姉妹」の物語であり、
義理の弟に擬態した実の妹と戦うこととなる。


この
「弟であり妹」というモチーフは
監督作品「PERSONA -trinity soul-」再び登場。
この作品の核を成すこととなる。


BLOOD+ではそれを矢島晶子が演じ、ペルソナでは沢城みゆきになっているあたり、
同系統の声優の置き方をしているといっていい。


さて、そんな兄弟姉妹のテーマに今また挑むことになった松本監督。
「乙女ゲー」的な要素も、
出発点が「ウテナ」であることを考えれば、至極当然。
サターン版ウテナの「少女革命ウテナ いつか革命される物語」を
PSNDLCのラインナップに早く入れて欲しい。


今回は幾原さんや金子さんと言った面々もバックアップに回っており
舞台は万全。松本監督の十八番である「後半のサプライズ展開」に期待!



ふたりはミルキィホームズ
まさかまさかの錦織博の登板!


ブロッコリー社長の木谷さんの伝手か、
制作にはノーマッドも連名で参加してますね。


美術スタッフはサマースペシャル・ミルキィ2期の水谷利春さんが続投。
1期の小林七郎さんの後継として水谷さんが続けているのはなかなかに感慨深い


水谷利春さんは小林プロダクションの出身で
小林七郎さんの生み出した偉大な弟子筋の一人。
「新・ど根性ガエル」などのように
小林七郎フォロワーな背景美術もこなすが、
その一方で「AKIRA」のような
リアル路線の美術も得意技としている。


ミルキィ2期では小林七郎さんの作った背景の路線を踏襲し
森脇監督と共に「Aプロっぽさ」をかもし出していた。


しかし、この「ふたりは」では一転、
もう一つの技も混ぜて、水谷さん本来の背景美術を感じさせる仕上がりになっている


錦織監督とは劇場作品である「マジックツリーハウス」でまさに
メルヘンとリアルの中間を見事に具現化していた水谷さんだけあって、
前作ミルキィとの違いをガツンと打ち出してきた。


本当は錦織監督には「オサレさ」とか「中二病」ではなく、
「メルヘン」と「無邪気さ」でせめて欲しいという希望もあるが、
「ふたりは」はどっちに転ぶのか。


この物語もどうも「兄弟姉妹」特に「兄妹」が裏のテーマになってきそうでもあり、
ウテナにおいて「七実担当」だった錦織さんの本領が期待させるところでもある。



ウテナ勢の新作に期待しております!