ノベルゲームは「一番最初のTV版アトム」レベル

「背景絵」と「立ち絵」だけで、
立ち絵も使いまわし、背景と人物のパースもメチャクチャ
なノベルゲームの方式を
アニメが受け入れていった


というような事が書かれていたが、
アニメ史的にはちょっと違う。
ノベルゲームのアニメーションレベルというのは
「TV版アトム」のレベルなんですよ。
つまり、TVアニメというのはそこから進化してきたものだから、
「ノベルゲーム」の方式を取り入れるのは、
いわば先祖返りのようなもの。


そういう意味では
>「背景画」と「作画」の空間的断絶を生かした演出とは、
>かつて日本アニメの特徴としてよく挙げられていた「止め絵の美学」のようなものとは、
>発想が根本的に異なっている。


という黒瀬の言は歴史的に正しい。
なぜなら、出崎や富野は「TV版アトム」の否定からそのキャリアをスタートさせているからだ。
「アトムのままではいけない」というのが彼らのその後のモチベーションになっている。
そして編み出されたのが「カメラレンズの導入」と「レイアウトを使った演出」。



なので、アトムレベルのノベルゲームの特性を活かすなんてのは、
アニメからすれば40年ほど前に通過した地点なのだ。