ウテナがなぜ出崎統を超えられたか。


それはウテナが「幾原邦彦」一人の作品ではなかったからだ。


全部説明してしまうと興ざめなので、
わかりにくいようにカレイドスターに喩えよう。
メイ・ウォンは大したスターだ。
だが彼女一人で全盛期のレイラハミルトンに勝てただろうか。
たった一人でカレイドステージを支えた彼女に。
(付き人バージョンのユーリと理解者カロスもいたけど)


多分勝てない。


でも、彼女が「スター」になった時、彼女は一人じゃなかった。
ロゼッタが居てマリオンが居てジョナサンが居てレオンが居て、
天才的な新人がいて、
そして最終的にはそらも応援に駆けつけた。


しかも、彼女が望んだ「競い戦うステージ」を実現することが出来た。
天才的な新人が髪が全部抜け落ちるほど全てを賭け、
ある者は「みんなグルで、オレのことを笑ってやろうと企んでいるんじゃないか」と疑心暗鬼になり、
一度は主演を経験していたロゼッタでさえ「調子に乗っていた自分に気づいた」と言う。


そらだけは後からひょっこり来て、変わらず暢気にやっていたようにも見えるけどw


最後にロゼッタ・パッセルこと五十嵐卓哉wのインタビュー記事から


「色んな力の結集でしたね。
それが幾原監督個人のフィルムに仕上がっているところが心憎い(笑)」